未来志向経営者インタビューサイト「新潟社長図鑑」

建設業の新しい形を目指して、三代目の挑戦はここから続いていく!【代表取締役社長 菊地恭平氏】

株式会社菊地組

ゼロからの挑戦

介護職から建設現場へ覚悟のスタート

建設の現場なんて、それまで経験したことはありませんでした。
入社して三ヶ月たたずに「今日からこの現場やってみて」と現場を任されることになったんです。
正直、何も分からず戸惑いましたが、とにかくやるしかなかった。
試行錯誤を重ねながら成長し、株式会社菊地組の三代目としての歩みをスタートさせました。

祖父が立ち上げた株式会社菊地組は、当初、三島郡和島村での民家解体や掃除といった地域に根ざした仕事からスタートしました。地域のお母さんたちや若い働き手が集まり、暮らしのそばで汗を流す仕事をしていたと聞いています。その後、二代目が長岡市へ拠点を移し、鳶工事や土工事といった専門業者へと歩みを進めていきました。

私は長男として育ち、幼い頃から菊地組の存在は身近ではありました。
けれど、夜遅くまで働く父の背中や、付き合いに追われる経営の裏側を見ていたので、「自分が継ぐとしても大変そうだなぁ、サラリーマンの方が向いてるかも…」そんな気持ちが自然と芽生えていったんです。

学生の頃、ボランティア活動を通じて福祉に興味を持ち、気がつけば福祉の道に歩んでいました。介護の仕事を続けて14年ほど経った頃、父から「継いでくれないか」と声をかけられたのです。もともと父は「跡継ぎは自分でなんとか育てるからお前は好きなことやれ」と言ってくれていた人です。
だからこそ、突然の言葉には戸惑いました。専務の退職や父の体調不良を知り、気持ちが動いたんです。覚悟を決めて飛び込んだが、待っていたのは“地獄の3年間”でした。

その想いが、社長としての改革の出発点だった

安心して働ける場所を目指して

入社したばかりの頃は、まさに何もかもが手探りでした。
建設の知識も見積もりの作り方も分からないまま、いきなり現場を任され、県内を1日中飛び回る日々が始まったのです。誰にも教えてもらえない中、似たような現場など一つもなく、毎回違う現場で、自分なりに見て学び、自分で考え対応していくしかありませんでした。

当時の会社にはルールもマニュアルもなく、育成の仕組みも整っていませんでした。
誰かに聞いて教わることすら難しかった。だからこそ、「変えなきゃ」と思ったんです。
まず取り組んだのが、タイムリーに行える特別教育の導入。足場やフルハーネスの講習を新入社員がいつ入社しても社内で完結できるように自ら講師資格を取得し、会社の作業内容に合ったカリキュラムを構築しました。
さらに、資格取得までのステップをまとめたパンフレットを作成し、3か月、1年、3年といった成長の道筋を見える化しました。誰にとっても「安心して働ける場所」をまずはつくりたかったんです。

菊地組が手がけているのは、足場、土工、コンクリートといった“建物の骨格”を支える仕事です。建物が完成すれば姿を消してしまう部分ですが、見えないところにこそ丁寧さと安全を込める。それが、私たちの誇りです。

また、これらの工程を分業ではなく“一括で請け負える体制”も、菊地組ならではの強みです。分業化が進む中で、足場・土工・コンクリートすべてに対応できる職人が揃っている現場は、そう多くありません。祖父の頃から大切にしてきた「なんでもやる」姿勢は、今も会社の大きな軸となり、私たちの信頼の礎となっています。

社是にも「社員・元請けともにいい会社と言われるよう努める」と掲げています。
その“いい会社”って何かと考えたときに、僕が思うのは「事故がなく、安心して任せられる会社」です。その当たり前を守り続けることが、信頼に繋がっていくと信じています。

無理をさせない会社にしたかった

働き方改革と、仕組みのアップデート

社長になって、もう一つすぐに取り組んだのが、年間休日の見直しです。
以前は年間95日だった休みを、120日に増やしました。
これまで当たり前だった土曜稼働を見直し、家族との時間や個人の生活も大切にできる会社を目指しました。稼働日が減ることで売上への不安もあったが、無理をさせる会社では、未来はつくれない。そう思ったからこその決断でした。

実際に土曜が休みになることで、最初は戸惑っていたベテランの職人たちも、「休んだ方が体がラクだね」と少しずつ実感してくれるようになってきました。オンとオフの切り替えは、仕事の質にもつながると考えています。

それにあわせて、現場の予定管理もアナログからデジタルに切り替えました。独自で考えて導入したアプリを使えば、社内外問わず、どこにいても予定をオンラインで共有できます。デジタルに不慣れな職人さんのために、大型モニターを社内に設置し現場ごとのスケジュールも見やすく表示して、誰でも同じ情報にアクセスできるように工夫しています。

これにより、時間外業務の軽減にもつながり、現場とのやりとりもスムーズになりました。
みんなが気持ちよく働ける環境を、少しずつでも整えていけたらと思っています。

国境のない現場づくり

仲間として、ともに歩む

現在、菊地組には12人の外国人実習生がいます。先代の時代から受け入れを始めて、今では欠かせない仲間たちです。国が違えば文化も言葉も違うけれど、だからこそ、通訳を入れてしっかり理解できるよう安全研修をやっています。

実際に、コンクリートを削る作業中に粉塵が目に入ったトラブルがあり、それをきっかけに研修を徹底するようになりました。安全は、誰にとっても最優先で日本人かどうかなんて関係ない。大切な仲間に、安心して働いてほしいです。

実習生のみんなにも、資格を取ってステップアップしてもらいたいと思っていて、すでに作業主任者の資格を取った人もいますし、来年には鳶一級に挑戦したいって言ってくれている子もいます。

これからの建設業は、日本人だけじゃ支えきれません。だからこそ、彼らが“手伝う人”じゃなくて、“職人の一人”として活躍できるようにしていきたいですね。

挑戦の先に見えるもの

信頼や役割が育っていくと信じて

今、力を入れているのが、インフラ系の公共工事や、橋梁補修、山の斜面などの特殊な現場での仮設工事です。
父の代では手をつけてこなかった分野ですが、だからこそ、僕は「やってみたい」と思えました。

建設業一筋の人生だったら、「難しいな」「無理だな」と思ったかもしれません。でも、僕は介護という全く違う業界からきたからこそ、しがらみも固定観念もなく、「やってみよう」という気持ちになれたのかもしれません。

目指しているのは、会社の規模を大きくすることではありません。
「人が育ち、定着し、ここで働けてよかったと心から思える会社」にすることです。
専門性を持った職人が長く安心して働ける環境を整えていく。
その先に、会社としての信頼や役割が育っていくと信じています。

ある日、中学生の息子が「うち、継いだほうがいい?」って聞いてきたことがありました。嬉しかったですね。でもそのあと、「俺、サラリーマンになりたい」って言われて思わず笑ってしまいました。昔の自分と同じこと言ってるなぁって。

無理に継いでほしいとは思っていません。でも、いつか背中を見て、「建設業って悪くないな」って思ってくれたら、それだけで充分です。

これからも、誰にも見えないところを支える仕事に誇りを持って。
地に足をつけながら、次の挑戦に向かって歩みを続けます。

会社情報

会社名略称. 株式会社菊地組
勤務先名 株式会社菊地組
本社住所 新潟県長岡市雨池町字浦田134
代表者名 代表取締役社長 菊地恭平 様
1年後〜3年後の目標 \外国人技能実習生のさらなる育成と資格支援/
通訳を入れた安全教育の徹底、資格取得支援をつづけていきたいです。
今後の課題として「日本人と同じ研修を受けさせたいが、受け入れが難しい」そこを解決できるように独自の研修機関設立も視野に入れていきたいですね。

\価格競争ではなく“人材の専門性”で勝負できる会社づくり/
無理に会社の規模を広げるのではなく、「選ばれる会社」になるために、できることの質を高めていきます。量を追うのではなく、信頼で仕事を任されることで、結果として従業員の給与水準も上げていきたいと考えています。

新規事業・チャレンジしたいこと \特殊仮設工事への本格参入/
インフラ系の公共工事、橋梁補修、山の法面(斜面)工事など。
地崩れが起きそうなところに足場を設置したり、橋の下に吊り足場をつくる、斜面を補強するなど高難度で専門性の高い作業が求められます。高い技術と連携力を持った職人たちがいるからこそ、この特殊仮設工事の分野を、会社の次なる柱として育てていきたいと考えています。
こんな人に会いたい 自信がなくても、不安があっても、「一生懸命やってみたい」って思える人なら、うちは大歓迎です。
僕自身、現場に出たときは何もわからなくて、誰にも教えてもらえなかった。そのときの心細さがあるから、不安な気持ちってよく分かるんです。最近も、「働きたいです」って電話をくれた子がいてね。その子も今、一緒に現場で頑張ってくれてます。もう我が子みたいな感覚で、つい口うるさくなっちゃうけど(笑)
教えるというより、“一緒に頑張っていこう”っていう気持ちなんです。
事業内容 建設業
鳶・土工工事業/一般建築/躯体工事一式/産業廃棄物収集・運搬
その他 HPやInstagramもぜひ見てください!!
https://kikuchigumi-nagaoka.com/
@kikuchi_gumi

取材者情報

今回の社長へのインタビュアーのご紹介です。
「話を聞きたい!」からお問い合わせを頂いた場合は運営会社の株式会社採用戦略研究所を通して、各インタビュアー者よりご連絡させて頂きます。

取材者名 ㈱採用戦略研究所 小林
住所 新潟県長岡市山田3丁目2-7
電話番号 070-1476-9740
事務所HP https://rs-lab.jp/

話を聞きたい!