未来志向経営者インタビューサイト「新潟社長図鑑」

寄り添うデザイン、描きながら進む私。【代表 桐生 道子氏】

Turquoise Design(ターコイズデザイン)

「私にもできるかもしれない」——デザインで人を笑顔にする道

小さな出会いがくれた、大きな気づき。

かつて、私は長岡の広告代理店で働いていました。朝から晩まで、時間に追われるような毎日。
忙しくもやりがいのある日々でしたが、気づけば心のどこかに、静かに疲れがたまっていたのかもしれません。

そんなある日、地元で起業している友人からランチ会に誘われました。
集まっていたのは、美容関係の仕事をしている女性たち。みなさん本当に素敵で、
自分のペースで起業し、活き活きと働いている人たちがこんなにいるんだということに驚きました。
友人の姿に、「あ、こんな働き方もあるんだ」と、閉じかけていた視野がふっと広がったように感じました。

そんな中、ひとりの友人から「ちょっとデザインお願いできる?」と声をかけてもらいました。
当時は、「少しデザインから離れたいな…」という気持ちもありましたが、
仕上がったデザインを手にした彼女が、心から嬉しそうに笑ってくれて。
「ありがとう!本当に嬉しい!」と喜んでくれた、その瞬間が忘れられませんでした。

――あぁ、やっぱり私は、こういう瞬間が好きなんだな。
そう思ったときから、少しずつ心が動き始めました。
「もしかしたら、私にもできるかもしれない」。そんな小さな芽を育てながら、約2年かけて、自分の会社を立ち上げることを決意しました。

あのランチ会での出会いが、私の人生の大きな転機。
今は、焦らず自分らしいリズムで、誰かの力になれるデザインを届けたい。
そんな思いを胸に、ひとつひとつ、丁寧に仕事と向き合っています。

「ひとりじゃできない」を、そっと支える存在に

デザインを通じて、“困った”の隣に寄り添いたい

起業してからわかったのは、自分で何かを始めるって、想像以上に大変だったということでした。
商品やサービスをつくることだけでなく、チラシづくり、SNS発信、ホームページの管理、予約のやり取り…。
パソコン操作ひとつ取っても、“やらなければならないこと”が多すぎて、正直パンクしそうになることもありました。

そんな経験から思うようになったことは、
「自分と同じように、ひとりで頑張っている人の助けになれたらいいな」って。

「デザインをお願いしたいけど、何をどう頼んだらいいかわからない」
「パソコンもスマホも苦手で、SNS投稿も億劫で…」
そんな声を聞くたびに、「大丈夫、一緒にやっていきましょう」と寄り添いたくなる。

だから私の仕事は、単にチラシやロゴを“作ること”がゴールではありません。
その人が「伝えたいこと」を一緒に見つけて、「必要としてくれる人にちゃんと届く形」にすること。
そして、完成したときに「これならできそう」「私でもやっていけるかも」と、ちょっとだけ自信を持ってもらえることが、何よりも嬉しいです。

最近では、デザイン制作に加えて「初心者向けのSNSレッスン」も行うようになりました。
大きな企業向けではなく、自分で事業をしている方や地域のお店・サロンさんのような、リアルな悩みを抱えている方にこそ届いてほしいサービスです。

”自分らしさ”で誰かの力になれたら。

話して、笑って、形にする。

私の仕事は、単に依頼を受けて“デザインを納品する”ことではありません。
むしろ、その前の「雑談」こそが、いちばん大切な時間だと思っています。

他のデザイン会社と少し違うところは、お客様と親しみやすい関係から始まることが多いという点。
いきなり「こんなロゴを作ってください」と言われて形にするのではなく、まずはたくさん話して、笑って、悩みを共有して――
そうして初めて、その人の中にある“本当に伝えたい想い”や“言葉にできていないイメージ”が見えてきます。

私は、「情報を整理すること」が得意なので、
雑談の中からこぼれた言葉や、何気ないしぐさからヒントを拾い集め、
その人らしさがにじむデザインにしていきます。

だからこそ、会って話すこと・寄り添うことを大切にしています。
「なんだか話しやすくて、気がついたらいろいろ話していた」
そんな風に言ってもらえることが、実はとても嬉しいです。

両方やるからこそ、見える景色がある

制作と指導の両立

デザインの仕事をしていると、「作ってほしい」という声をいただく一方で、「やってみたいけど、やり方がわからない」と立ち止まっている人にも、たくさん出会います。

そんなとき私は、「作ってあげる」だけではなく、
「一緒に作り上げる」ことを大切にしてます。

そうした中で「自分でもできるかも」と思える体験があれば、その人の中に挑戦する力が芽生えます。
だから私は、“作る”と“教える”を両方、大事にしていきたいです。


制作の場面では、「こんなイメージになるとは思わなかった!」と喜んでもらることが一番嬉しい瞬間です。
教える場面では、「やってみたら意外とできた!」という自信の芽が育っていくのを感じられて、どちらも、誰かの“次の一歩”を支えることができる、かけがえのない仕事だと感じています。

そしてここ数年、デザインの世界は大きく変わろうとしています。
AIが急速に進化し、Canvaのような便利なツールもどんどん登場してきました。
ちょっと触れば“それっぽいもの”が誰でも作れる時代――
私たちがアナログで時間をかけてやってきたことが、「もうそれじゃ追いつけない」と感じる場面も増えてきました。

だからこそ、今思うのです。
「学び続けること」「変わり続けること」をやめちゃいけないな、って。

やり方も、考え方も、もっと柔軟にアップデートしていく必要がある。
自分自身の「これから」に対して、ちゃんと“ロードマップ”を描きながら進んでいかなければ。
それが経営の難しさであり、楽しさでもあるのかもしれません。

寄り添う仕事、奏でる自分。

誰かの“やってみたい”と、自分も“楽しみたい”を大切に。

起業当初は、とにかく“がむしゃら”にやるしかないと思っていました。

開業して12年。ふと自分を振り返る時期が巡ってきたと感じました。
それまでは目の前のことに必死で、立ち止まって考える余裕はありませんでした。
そのとき改めて、事業やプライベートを振り返る時間を設ける大切さに気づきました。

それ以来、毎年年初めには、昨年を振り返りながら、1年・3年・その先の目標と計画を手帳に書くようになりました。
不思議なことに、文章化した目標と計画は、半分くらい実現できている気がします。

仕事では「作ること」「教えること」に全力を注ぐ毎日ですが、
そんな私にとってのリフレッシュ方法は、サックスを吹くことです。

5年ほど前、子どもの頃から憧れていたサックスを、新潟日報のカルチャースクールで始めました。
最初は楽譜を追うのに精一杯でしたが、少しずつ音を“楽しむ”余裕も出て
今は、完璧に吹ける1曲はこれ!と言えるように練習を続けています。

仕事とはまったく違う世界に身を置くことで、ふっと肩の力が抜けたり、
自分をリセットできたりします。
そんな“余白”があることは、私にとってとても大切な時間です。

そうして心に余裕を持てるからこそ、人の「やってみたい」や「伝えたい」に寄り添う仕事への愛着が、ますます深まっていくのだと思います。
今も、全てが完璧なわけではありません。
でも、描いた道を一歩ずつ進んでいる自分がいる。
そしてその途中で出会う誰かの背中を、そっと押せるような存在でいられたら。
それが、私にとって最高の幸せです。

会社情報

会社名略称. Turquoise Design(ターコイズデザイン)
勤務先名 Turquoise Design(ターコイズデザイン)/Huit Crêpe(ユイット・クレープ)
本社住所 新潟県三条市/【クレープ店舗】新潟県燕市吉田西太田844‐1
代表者名 代表・CIディレクター 桐生 道子様
失敗談・成功談 \失敗も今後の学びに/
「合わないことも、学びになる」
正直に言うと、うまくいかなかったご依頼もありました。
最初のやり取りで「ちょっと合わないかも…?」と感じたお相手とは、
やっぱり最後までどこか噛み合わなくて。
そのまま続けても、お互いにとって良い結果にはならないと感じたんです。
この経験から学んだのは、フィーリングや価値観の“相性”って、すごく大事だということ。
相手の想いをくみ取りながら仕事をするためには、安心して話せる関係性や、お互いの信頼が必要不可欠なんだと、あらためて思いました。
だからこそ今は、まずは雑談から。
ちゃんとお互いのことを知ってから、一緒に何かを作り上げていけたらうれしいです。

新規事業・チャレンジしたいこと 2023年新事業として、燕市吉田にある小さなクレープ屋「Huit Crepe(ユイット クレープ)」を立ち上げました。発芽玄米粉を使った生地はもちっとした食感で、ほんのり香ばしい味わい。クリームは豆乳ホイップを使用し、甘さひかえめで軽やかです。お散歩の合間に気軽に立ち寄れる、やさしいおやつのお店です。
新しい挑戦として、『カラー×AI×ブランディング』をテーマにしたnote執筆も手がけています。将来的にはKindle出版を目指しながら、学びを発信中です。
こんな人に会いたい \出会ってみたい人/
ひとりで仕事をしていると、できることと、できないことがどうしても出てきます。
もし、デザイン以外のこと――たとえば営業や事務などを一緒に動かしてくれて「サポートしてくれる人」と出会えたら、心強いなと思っています。
信頼して任せられて、足りないところを補い合えるような関係。
そんなチームを、これから築いていけたらうれしいです。
事業内容 各種デザイン・広告・WEB制作のコンサルティング、SNS運用・デザイン講師
AIコンサル
その他 Turquoise Design
ホームページもぜひご覧ください。
https://turquoise-design.com/
(上記にQRコードございます。)

取材者情報

今回の社長へのインタビュアーのご紹介です。
「話を聞きたい!」からお問い合わせを頂いた場合は運営会社の株式会社採用戦略研究所を通して、各インタビュアー者よりご連絡させて頂きます。

取材者名 ㈱採用戦略研究所 土田
住所 新潟県長岡市山田3丁目2-7
電話番号 070‐6433‐5645
事務所HP https://rs-lab.jp

話を聞きたい!