未来志向経営者インタビューサイト「新潟社長図鑑」

未来を醸す、誇りの継承。124年の歴史を次の100年へ【代表 関 洋平氏】

株式会社住吉屋

124年目の重みを背負って

僕にできることは何か?

株式会社住吉屋は、124年という歴史を持つ老舗です。

その数字の重みを、日々実感しています。正直、「なんでここまで続いてきたんだろう?」って何度も考えました。でもそれは単なる年数ではなく、地域に根ざして、信頼され、愛され続けてきたからこそ。そう思えるようになりました。

僕がこの家に生まれたのも、ある意味“宿命”だったのかもしれません。東京で飲食業に携わったあと、地元に戻ってきた僕は、新入社員と同じように名刺を配り、配送に同行し、ゼロから学び直しました。やっと少しずつ手応えを感じ始めた頃、あのコロナが襲ってきたんです。営業もできず、人にも会えない。そんなもどかしさに苦しみました。

この124年の歴史を守りながら、僕にできることは何か?そんな問いが、次の一歩を後押ししてくれました。

変化を恐れず、行動する力

コロナと地震、ふたつの危機が教えてくれたこと

「じゃあ、自分にできることってなんだろう?」

そう考えて始めたのがECです。Amazonへの登録、自社サイトのブラッシュアップ、手づくりのチラシを使ったポスティングなど全部ゼロからのスタートでした。

問い合わせも少しずつ増えて、大切にしたのは“対応の速さと丁寧さ”です。昔から県外のお取引先からも「住吉屋さんは対応が早い」と言っていただけており、それが信頼につながっていたんだと改めて感じました。

チラシを見た高齢のお客様から「宅配をお願いしたい」と電話をもらった時は、心から嬉しかったです。必要とされているという実感があったんです。

専務になってからは、営業だけでなく、数字や管理にも向き合うようになりました。最初は不安だったけれど、失敗すらも学びにして、今は少しずつ自信がついてきました。

実は、あの中越地震の時、僕はまだ中学生でした。社屋は崩れ、ガラスは飛び散り、街は混乱していました。元々小売り部と卸部で分かれていたのですが、小売店舗は継続して使用できないほどの被害を受け、商品は倉庫だけでなく公道へ飛び散っていました。目の前の現実に絶望しつつも必死に再建に向けて奔走していた父の姿を見て、漠然と「この場所は、絶対に守らなきゃいけない」と感じたことを憶えています。

新発田市からすぐに駆けつけてくれた建設会社の方々のおかげで、店舗は立ち直ることができ父が築いてきた“縁”が力になった瞬間でした。あの経験が、今の僕の責任感や行動力の原点になっています。


仲間とともに未来を築く

誇れるスタッフと、“次世代が憧れる職場”を目指して

うちのスタッフは、本当に誇りです。

国際きき酒師、日本酒学講師、酒匠の資格を持つ佐藤さん(すべて取得しているのは世界で22名のみ)、遠方から毎日通ってくれる社員や、SNSで会社の魅力を発信してくれる頼れる存在。それぞれが自分の役割を全うしてくれていて、みんなが自分の役割を果たし、会社を支えてくれています。

僕の目標は、社員の子どもたちが「住吉屋で働きたい」と思えるような会社にすることです。

職場の話を家庭でしてくれたり、仕事に夢中な親の姿を見て「かっこいい」と思ってもらえる、そんな循環が生まれる会社でありたいんです。そのためには、社員が心地よく働ける環境が必要。だから、会議では、報告じゃなくて今改善したいことを一緒に話すようにしてます。無駄な業務を削って、新しいことに挑戦できる時間をつくる。

社員が自分で考え、自分で動ける職場をつくること。それが、今の僕の役割です。

次の100年へ、住吉屋の挑戦

祖父から父へ、そして僕は未来へ

祖父は魚沼方面へ、父は県外へと販路を広げてきました。僕が引き継ぐべきは、その流れの次にある“海外”だと自然に感じています。

時代とともに販路も働き方も変わってきました。だからこそ、僕たちもアップデートを続けなきゃいけない。今の時代に必要なのは“発信する力”です。いい商品を持っていても、知ってもらえなければ意味がありません。SNSや動画も活用して、“住吉屋らしさ”をもっと多くの人に伝えていきたいです。

そしてもうひとつ大切なのが、“地元”の捉え直しです。人口減少が進む中で、小千谷市に留まらず、“新潟”を主語に発想し、事業を展開していくことが必要だと感じています。将来的にエリアの再編が進んでいけば、小千谷の酒蔵が長岡や新潟の一部として見られる時代が来るかもしれない。でもそれは決してネガティブなことではなく、新しい地元のかたち、役割を引き受けるチャンスでもあるんです。地元の概念が広がっても残り続けるこの土地や人々を第一にというのは変わらないですけどね。



地域のお祭りやイベントへの協賛など、地元とのつながりも大切にしながら──。

過去に敬意を、今に責任を、未来に希望を。

その想いを胸に住吉屋の次の100年を、仲間とともにつくっていきます。

会社情報

会社名略称. 株式会社住吉屋
勤務先名 株式会社住吉屋
本社住所 新潟県小千谷市本町2-6-5 【事業所】新潟県小千谷市大字千谷字原付甲422-2
代表者名 専務取締役 関 洋平 様
1年後〜3年後の目標 124年続く家業を次代に繋ぐため、次なるステージとして「海外展開」への挑戦を視野に入れています。
祖父が魚沼へ、父が県外へ広げたように、自分は“海外へ”という自然な流れを受け止め、輸出ルートの整備や品質管理まで徹底的にこだわりたいと考えています。特に繊細な日本酒は空輸による輸送を検討しており、「蔵元が出したい温度で届ける」ことを大切にしたいですね。
新規事業・チャレンジしたいこと 小さくてもいいのでやっぱり飲食やりたいなぁと思うことがあります。
昼間からちょっとお酒が楽しめて、でも長居する場所じゃなくて。
「ゼロ次会」とか「〆の一杯」みたいな、そんな絶妙な立ち位置のお店が理想です。

自分のところで扱っているお酒を並べて、ふらっと立ち寄ってもらえるような場所があったら…
それがきっかけで、他の飲食店さんにも足を運んでもらえる「あたたかい場」そんな風景を、想像するだけでちょっとワクワクします。
こんな人に会いたい 「どうしたらいいですか?」ではなく
「こう思うんですけど、どう思いますか?」と言える人。
大切にしているのは、“自分の頭で考える力”だと思います。
たとえ答えが間違っていたとしても、自分の考えを持ち、言葉にできる人と一緒に働いていきたいですね。
事業内容 酒類事業 全酒類卸・小売り/食品事業 米穀及びその他食品小売り
メッセージ HPやInstagramもぜひご覧ください♪
【HP】 https://www.ojiya-sumiyoshiya.jp/profile.html
【Instagram】@ojiya.sumiyoshiya.0001

取材者情報

今回の社長へのインタビュアーのご紹介です。
「話を聞きたい!」からお問い合わせを頂いた場合は運営会社の株式会社採用戦略研究所を通して、各インタビュアー者よりご連絡させて頂きます。

取材者名 ㈱採用戦略研究所 小林
住所 新潟県長岡市山田3丁目2-7
電話番号 070-1476-9740
事務所HP https://rs-lab.jp/

話を聞きたい!