当たり前は、当たり前じゃない__信頼と工夫で地域を支える三条・マルセンの挑戦!【専務取締役 太田雅悠氏】
有限会社マルセン
果物屋から始まった三代の歩み
受け継がれた信念
「うちは青果が売上の30%を超える、ちょっと珍しいスーパーなんです」
新潟県三条市で2店舗を構える有限会社マルセン。その始まりは、祖父母が市場で果物を仕入れ、一枚布を敷いてざるにみかんやりんごを並べて売ったことからでした。そこから小さなお店を構え、父の代で惣菜・鮮魚・精肉を取り入れ、現在のスーパーマーケットへと発展していきました。
創業者から父へ、そして自分へ。代を超えて受け継がれてきたのは、ただの商売ではなく「食で地域を支える」という信念でした。
新潟県三条市で2店舗を構える有限会社マルセン。その始まりは、祖父母が市場で果物を仕入れ、一枚布を敷いてざるにみかんやりんごを並べて売ったことからでした。そこから小さなお店を構え、父の代で惣菜・鮮魚・精肉を取り入れ、現在のスーパーマーケットへと発展していきました。
創業者から父へ、そして自分へ。代を超えて受け継がれてきたのは、ただの商売ではなく「食で地域を支える」という信念でした。
“適正価格”という誇り
農家と支え合いながら
安さには必ず理由がある。だからこそAランク商品を“お値打ち”で出すことに意味があるんです。
物価高の波の中でも、マルセンは急な値上げを避け、できる限り買いやすい価格を守ってきました。
マルセンの強みは、農家さんとの直接のつながりです。たくさん収穫されて困っているときには全量を買い取る。その代わり、困ったときには農家さんが全力で支えてくれる。そうした信頼の積み重ねが、お客様の食卓を支えてきました。
「高く買って安く売るのではなく、納得していただける価格で長く続けること。これが僕らの商売に対する信念です」
夕方に半額シールを貼るくらいなら、最初から適正価格で売る。その姿勢が、地域のお客様の安心につながっています。
物価高の波の中でも、マルセンは急な値上げを避け、できる限り買いやすい価格を守ってきました。
マルセンの強みは、農家さんとの直接のつながりです。たくさん収穫されて困っているときには全量を買い取る。その代わり、困ったときには農家さんが全力で支えてくれる。そうした信頼の積み重ねが、お客様の食卓を支えてきました。
「高く買って安く売るのではなく、納得していただける価格で長く続けること。これが僕らの商売に対する信念です」
夕方に半額シールを貼るくらいなら、最初から適正価格で売る。その姿勢が、地域のお客様の安心につながっています。
“こっそり減塩作戦”
惣菜に込めた工夫と挑戦
マルセンは青果だけでなく、惣菜にも強いこだわりを持っています。人気の野菜かき揚げは、冷凍品を一切使わず、お店で一から作る自慢の品。支店では低価格のお弁当が、お昼の時間帯に多くのお客様に選ばれています。
さらに、三条市と連携して児童クラブ向けの弁当配達にも挑戦しました。夏休みには「お弁当作りから解放された」と保護者から喜びの声が寄せられました。
中でも象徴的なのが「こっそり減塩作戦」です。生活習慣病の予防や健康志向の高まりを背景に、行政と一緒にスタートした取り組みです。ただ、減塩と聞くと「味が薄い」「おいしくない」とマイナスイメージを持たれがち。そこでマルセンは、まず“こっそり”始めることにしました。
出汁を丁寧にとって旨味を引き出し、煮物や和総菜の味付けを見直す。塩分を減らしても、昆布やかつお節、干し椎茸などの天然素材からコクを出す工夫を重ねました。新メニューを出す際にはアンケートを用意し、「今日のお惣菜の味はどうでしたか?」と五段階で評価してもらう。回答と引き換えに割引券を渡すことで、多くのお客様の声を集めることができました。
その結果、「ちょうどいい」「むしろ濃い」との回答がほとんどで、「味が薄い」と答えたのはごくわずか。減塩なのに“おいしい”と感じてもらえることが数字で裏付けられたのです。
「減塩って書いた瞬間に、おいしくないと思われてしまう。だから“こっそり”やる。お客様の声をデータで確かめて、おいしさで勝負するんです」
減塩と気づかれないまま「おいしい」と評価される──その工夫と成果こそ、マルセンの惣菜づくりの真骨頂です。
さらに、三条市と連携して児童クラブ向けの弁当配達にも挑戦しました。夏休みには「お弁当作りから解放された」と保護者から喜びの声が寄せられました。
中でも象徴的なのが「こっそり減塩作戦」です。生活習慣病の予防や健康志向の高まりを背景に、行政と一緒にスタートした取り組みです。ただ、減塩と聞くと「味が薄い」「おいしくない」とマイナスイメージを持たれがち。そこでマルセンは、まず“こっそり”始めることにしました。
出汁を丁寧にとって旨味を引き出し、煮物や和総菜の味付けを見直す。塩分を減らしても、昆布やかつお節、干し椎茸などの天然素材からコクを出す工夫を重ねました。新メニューを出す際にはアンケートを用意し、「今日のお惣菜の味はどうでしたか?」と五段階で評価してもらう。回答と引き換えに割引券を渡すことで、多くのお客様の声を集めることができました。
その結果、「ちょうどいい」「むしろ濃い」との回答がほとんどで、「味が薄い」と答えたのはごくわずか。減塩なのに“おいしい”と感じてもらえることが数字で裏付けられたのです。
「減塩って書いた瞬間に、おいしくないと思われてしまう。だから“こっそり”やる。お客様の声をデータで確かめて、おいしさで勝負するんです」
減塩と気づかれないまま「おいしい」と評価される──その工夫と成果こそ、マルセンの惣菜づくりの真骨頂です。
十人十色を認め合う
“昨日より今日成長できる”職場へ
マルセンのレジには「この人のレジじゃなきゃ嫌」と指名するお客様が並びます。行列ができても動かないほどの信頼。それは接客マニュアル通りの対応ではなく、スタッフ一人ひとりの個性が活かされている証です。
うちでは押しつけないことを大事にしています。接客は十人十色でいい。フランクに話すスタッフもいれば、丁寧に接客するスタッフもいる。それよりも大切なのは“思いやり”や“気配り”なんです。
社員教育については「短所を直すより長所を伸ばす」ことを意識しています。短所を無理に直そうとすると本人も苦しい。けれど長所を伸ばせば自然と短所も一緒にカバーされていく。そんな考え方を実践しています。
実際、仕事終わりにスタッフから家庭の悩みや将来の不安を相談され、2〜3時間電話することも少なくありません。プライベートなことも含めて寄り添うのが自分の役割だと思っています。
ただ、現場では難しい局面もあります。例えば鮮魚や精肉の技術継承。腕のあるベテランが、厳しく指導しすぎて若手が萎縮してしまうこともありました。食中毒のリスクを防ぐために厳しさが必要な場面もある。しかし、怒鳴られるだけでは新人は育たない。板挟みになりながらも「安全性」と「育成」の両立に向き合ってきました。
うちは派手な福利厚生もないし、給料が特別高いわけでもない。でも“昨日の自分より今日の自分がレベルアップできる環境”は提供できていると思うんです。
エアコンが壊れたら自分で直す。パソコンも一度は自分で触ってみる。スーパーの現場は、やろうと思えばどんなことでも経験できる。そうした積み重ねが、仕事だけでなく生活の中でも力になると考えています。
経験を通して“自分でもできる”という自信を持ってもらいたい。ここで得た学びは、必ずその人の人生の財産になるはずです。
うちでは押しつけないことを大事にしています。接客は十人十色でいい。フランクに話すスタッフもいれば、丁寧に接客するスタッフもいる。それよりも大切なのは“思いやり”や“気配り”なんです。
社員教育については「短所を直すより長所を伸ばす」ことを意識しています。短所を無理に直そうとすると本人も苦しい。けれど長所を伸ばせば自然と短所も一緒にカバーされていく。そんな考え方を実践しています。
実際、仕事終わりにスタッフから家庭の悩みや将来の不安を相談され、2〜3時間電話することも少なくありません。プライベートなことも含めて寄り添うのが自分の役割だと思っています。
ただ、現場では難しい局面もあります。例えば鮮魚や精肉の技術継承。腕のあるベテランが、厳しく指導しすぎて若手が萎縮してしまうこともありました。食中毒のリスクを防ぐために厳しさが必要な場面もある。しかし、怒鳴られるだけでは新人は育たない。板挟みになりながらも「安全性」と「育成」の両立に向き合ってきました。
うちは派手な福利厚生もないし、給料が特別高いわけでもない。でも“昨日の自分より今日の自分がレベルアップできる環境”は提供できていると思うんです。
エアコンが壊れたら自分で直す。パソコンも一度は自分で触ってみる。スーパーの現場は、やろうと思えばどんなことでも経験できる。そうした積み重ねが、仕事だけでなく生活の中でも力になると考えています。
経験を通して“自分でもできる”という自信を持ってもらいたい。ここで得た学びは、必ずその人の人生の財産になるはずです。
「当たり前を磨き続ける」
地域を支え、次の世代へつなぐ覚悟
「食べ物は人をつくる一番の要素です」
幼かった子が大人になって「うちの食卓にはマルセンで買ったものが並んでたよ」と語ってくれるそんな瞬間に強い誇りを感じます。よそのスーパーを試しても「やっぱり“あんたんちが良いて”」と帰ってきてくれる。その言葉こそ、マルセンを続ける意味そのものです。
「当たり前のことを当たり前にやる。それを続けるのが一番難しくて、一番大切なんです」
次なる挑戦は、惣菜をさらに磨き、セントラルキッチンを実現すること。そして食堂を併設し、地域や子どもたちに開かれた場所をつくること。食で地域を支える役割を、これからも広げていきたいと考えています。
そして何より、受け継ぐ者としての覚悟があります。
継承する立場だからこそ、最初から当たり前にあったと思いたくない。全部、誰かの努力で成り立っているんです。
だから僕はあえて、自ら飲食店を立ち上げました。跡継ぎという立場では経験できない「ゼロからの挑戦」を通して、開業の苦しみも、店を畳む決断も自分の身で味わいました。そうすることで初めて、創業の努力や積み重ねてきた工夫の重みを実感できたのです。
「当たり前は、当たり前じゃない。だから僕は、これからも“当たり前”を磨き続けます」
農家さんと、お客様と、社員と。支え合いながら積み上げてきたこの歴史を、次の世代へとつなぐために。マルセンの名に、胸を張って。
幼かった子が大人になって「うちの食卓にはマルセンで買ったものが並んでたよ」と語ってくれるそんな瞬間に強い誇りを感じます。よそのスーパーを試しても「やっぱり“あんたんちが良いて”」と帰ってきてくれる。その言葉こそ、マルセンを続ける意味そのものです。
「当たり前のことを当たり前にやる。それを続けるのが一番難しくて、一番大切なんです」
次なる挑戦は、惣菜をさらに磨き、セントラルキッチンを実現すること。そして食堂を併設し、地域や子どもたちに開かれた場所をつくること。食で地域を支える役割を、これからも広げていきたいと考えています。
そして何より、受け継ぐ者としての覚悟があります。
継承する立場だからこそ、最初から当たり前にあったと思いたくない。全部、誰かの努力で成り立っているんです。
だから僕はあえて、自ら飲食店を立ち上げました。跡継ぎという立場では経験できない「ゼロからの挑戦」を通して、開業の苦しみも、店を畳む決断も自分の身で味わいました。そうすることで初めて、創業の努力や積み重ねてきた工夫の重みを実感できたのです。
「当たり前は、当たり前じゃない。だから僕は、これからも“当たり前”を磨き続けます」
農家さんと、お客様と、社員と。支え合いながら積み上げてきたこの歴史を、次の世代へとつなぐために。マルセンの名に、胸を張って。
会社情報
会社名略称. | 有限会社マルセン |
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勤務先名 | スーパーマルセン興野店、スーパーマルセン荒町店 |
本社住所 | 新潟県三条市興野2丁目3番1号 |
代表者名 | 専務取締役 太田 雅悠様 |
1年後〜3年後の目標 | 今後は、惣菜の強みをさらに伸ばし、セントラルキッチンの構想を形にしていきたいと考えています。単に商品をつくるだけではなく、地域や子どもたちに開かれた“食堂”として機能させることも視野に入れています。また、新しい店舗展開にも意欲を持っており、三条市を中心に、加茂・燕・栄といった近隣地域へと広げていくことを目指しています。 さらに、ライフタイムバリューの視点を取り入れ、お客様が感じる顧客満足度を一層高めていきたいと考えています。単なる一回の買い物ではなく、長く選ばれ続ける存在になることを目標にしています。 |
新規事業・チャレンジしたいこと | 惣菜分野では「お惣菜大賞」を狙う全国プロジェクトに携わっており、その経験を自社の商品開発に活かしていきたいと思っています。行政と連携した「こっそり減塩作戦」のように、健康志向の商品づくりにも挑戦し、安心して“おいしい”と感じてもらえる工夫を重ねていきます。 また、ヘルシー和食弁当など、より健康を意識した商品ラインナップを自社で開発していくことにも力を入れたいと考えています。まだまだ伸ばせる要素が多くあるからこそ、挑戦を続け、成長を図っていきたいと思っています。 |
こんな人に会いたい | マルセンの仕事は、こだわりを大切にする人にこそ向いていると思います。こだわりが強かったり、個性的な子って、自分の“好き”や“得意”をわかっているじゃないですか。そういう人の方が導きやすいし、お店自身もこだわってやっているからこそ、互いのこだわりを共有できると思うんです。 僕自身もその人のこだわりを大切にしますし、逆にお店のこだわりも大切にしてほしい。お互いが対等な立場で尊重し合える関係を築けたらいいですね。元気がなくても構いません。大切なのは、こだわりを持っていること。それがこの仕事に一番フィットすると思っています。 |
事業内容 | 小売業/販売・接客、商品管理、食品加工(惣菜・鮮魚・精肉 など) |
メッセージ | ◆採用情報◆ ◎職種・業務内容 ■惣菜:調理や品出し、廃棄まで。料理の腕前は不問で、働く中で身につけていけます。 ■精肉:ブロック肉のカット、スライサー使用、パック詰めなど。初心者も安心して慣れていける研修あり。 ■鮮魚:魚をさばく・刺身加工・パック詰めまで。技術が必要ですがサポートが充実。 ■青果:野菜や果物の袋詰めや加工。力作業のほか、小分け・陳列・パッケージ化の業務もあります。 ■レジ:セルフレジのフォローや操作案内、接客業務。親切な対応を心がけています。 ◎雇用形態・給与 ■雇用形態:パート・アルバイト ■給与:時給1,050円〜(9月21日より) (経験に応じ優遇) ◎勤務地・勤務時間 興野店(三条市興野2-3-1) 荒町店(三条市荒町2-1-26) ■午前8時から午後7時の間で、4時間程度から相談可 ◎応募資格・方法 ■経験:不問(未経験歓迎、丁寧に教えてくれる環境です) ■応募方法 電話で応募(面接日調整) 面接当日には履歴書持参 スーパーマルセンは地域に根ざしたアットホームで人を大切にする職場。 子育て中の方も働きやすい環境づくりにも前向きに取り組んでおり、安心して長く活躍いただけます。育児休業制度の周知や男性の育休取得推進など環境整備にも注力しています! こちらもご覧ください! 【HP】https://z-marusen.co.jp/ |
取材者情報
今回の社長へのインタビュアーのご紹介です。
「話を聞きたい!」からお問い合わせを頂いた場合は運営会社の株式会社採用戦略研究所を通して、各インタビュアー者よりご連絡させて頂きます。
取材者名 | ㈱採用戦略研究所 小林 |
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住所 | 新潟県長岡市山田3丁目2-7 |
電話番号 | 070-1476-9740 |
事務所HP | https://rs-lab.jp/ |