未来志向経営者インタビューサイト「新潟社長図鑑」

笑顔とありがとうがめぐる場所。フジトモが紡ぐ、やさしい未来。【代表 加藤智彦氏】

フジトモ株式会社

“福祉×建築”で暮らしを支える

職人としての原点から

私たちの会社は、福祉と建築を掛け合わせた事業を行っています。
福祉といっても、施設や病院などさまざまな分野がありますが、私たちは在宅、つまり一般のお宅を中心に業務を行っています。

この会社を立ち上げる前は、工務店で大工として現場で働いていました。
私が職人をめざしたきっかけは、若くして家族を持ったこと。これから妻や子どもを養っていかなければという思いから、「手に職をつけよう」と大工の道を選びました。

転機になったのは、2000年に介護保険法が施行されたときです。
当時勤めていた会社で、手すりの取り付けなど介護保険に関わる工事を任されるようになり、新潟市内の法人様からも多くの依頼をいただくようになりました。
そうした中で、「あなたを信頼してお願いしているから、独立してやってみたら」と、ありがたい言葉をたくさんいただいたんです。
ただ、その時の自分にはまだ力が足りないと思い、2級建築士の資格を取得し、必要最低限の資格も揃えてから、33歳で独立・創業という形をとりました。

当時は、介護保険を悪用するような業者も少なくありませんでした。
「介護保険が使える」と言いながら実際は対象外だったり、知識がないのに“分かるふり”をして工事を請け負うようなケースもありました。
だからこそ私は、正しいやり方でお客様に安心を届けることを第一に考えていました。
依頼してくださる方々の信頼に応えたい、その思いで仕事をしていたので、創業当初から本当にやりがいを感じていましたね。

一人ひとりの暮らしに寄り添う

“ありがとうが集まる会社”へ

現在は、住宅改修工事・福祉用具の販売・レンタル・新築工事などを行っています。
その中でも特に力を入れているのが、個人のお宅でのお困りごとを解決することです。

施設や病院とは違って、在宅の現場は一軒一軒、すべて仕様や生活の仕方が違います。
だからこそ私たちは、「相手の顔を見て、その人に本当に必要なものを提案する」ということを大切にしています。
それが私たちの仕事の根幹であり、工事から福祉用具のレンタルまで一貫してお手伝いする理由でもあります。

例えば、手すりの取り付けを依頼されたときも、ただ取り付けるだけで終わりではありません。
工事の際に「他に困っていることはありませんか?」と声をかけて、できる限り力になれるよう動く。
そんな“お役立ち”の姿勢を常に持っています。

特にご年配のお客様の場合、昔の大工さんが廃業してしまい、どこに頼んだらいいかわからないという方が多いんです。
だからこそ、私たちがすぐに対応できるようにして、工事後も安心してもらえるよう、3か月・6か月の定期点検を実施しています。
点検でお邪魔すると、自然と会話が生まれ、「実はこんなことにも困っていて…」と本音を話してくださる。
そうして信頼関係が築かれていくのが、この仕事の醍醐味だと思っています。

会社としての強みは、変化を恐れない柔軟さです。
私は同じことを続けるのがあまり得意ではなくて(笑)、良いと思ったことはすぐに取り入れて切り替えるタイプです。
その直感と行動力で、これまでいくつもの壁を乗り越えてきました。
スタッフからすれば、きっと“社長に振り回されてる”なんて思われているかもしれませんが、そういう柔軟さがこの会社らしさでもあると思っています。

今の事務所も、もともとは空き家だった建物をリノベーションして使っています。
私たちが伺う現場は古いお宅が多いので、まず自分たち自身が同じ環境に身を置くことで、よりリアルな視点で提案や言葉が伝えられるようにしたかったんです。
もともとこの家は農家さんのお宅でしたので、広い茶の間があります。そこを地域の方が集まる“茶の間”として使用していたこともあります。
私自身、7年前に大病をしリハビリを兼ねて子供たちと一緒に朝歩き、通学見守り(セーフティスタッフ)をしたりと、地域の中で活動もしていました。

そんな私たちのパーパス(存在意義)は、「ありがとうが集まる会社」。
地域に貢献しながら、スタッフにもその想いを少しずつ共有し、輪が広がっていく。
それが結果的に、会社の成長や存在意義につながってきたのだと感じています。

日々の仕事は、「ありがとうの種まき」

言葉の力で、心を明るく。

日々の仕事は、「ありがとうの種まき」だと思っています。

会社の理念でもある「ありがとうが集まる会社」。
普段、私が口にする言葉も、お客様からいただく言葉も“ありがとう”。
感謝の言葉って、ちゃんとつながっていくんですよね。

だから私は、「どうすれば“ありがとう”を一つでも多くいただけるか」を意識して、
スタッフにも伝えるようにしています。
もらうだけじゃなく、自分からも出す。
何かあったら「ありがとう」と自然に言える——そんな関係が理想です。

子どものころ、親から「返事をしなさい」「あいさつをしなさい」ってよく言われましたよね(笑)。
でも大人になると、それがなかなかできなくなる。
だからこそ、小学生でもできる“あいさつや感謝”を大人がちゃんとやる。
それだけで職場の雰囲気も変わるし、気持ちが明るくなる。
そんな基本を大事にすることが、私のこだわりでもあります。

そして最近は、「波動や波長」も大切にしています。
その場の雰囲気って、言葉や表情で変わりますよね。
自分がいることで空気がふわっと明るくなる——
そういう“幸せの波動”を意識して日々過ごしています。

実は、毎朝会社に来て玄関を開けた瞬間に「幸せーー!」って声に出すんです(笑)。
そうすると自分も気持ちが上がるし、スタッフが出勤してきたときにその“幸せ波動”を少しでも感じてもらえたらいいなと思って。
目には見えないけれど、きっとプラスの作用があるはずなんです。

私たちの仕事は、介護を必要とする方のお宅に伺うことが多いです。
介護疲れや日々のストレスを抱えているご家族も多い。
だからこそ、「ありがとう」や「幸せ」という言葉で、
少しでも気持ちが軽くなるような空気を届けられたらと思っています。

数字には見えないけれど、人の心が伸びていく——
そんな“目に見えない成長”を信じながら、これからも続けていきたいですね。

“苦労”を“経験”に変えて。第二の創業期へ

17年目の転機。ここから、第二幕。

これまでを振り返ると、たくさんの“苦労”がありました。
でも今はそれを“経験”と呼びたい。
どうやって人に思いを伝えるか、どうやって壁を乗り越えるか——
それを一つひとつ積み重ねることで、会社も自分も変わっていくのだと思います。

特に大変だったのは、自分の思いをチームにまとめることでした。
「これをやろう!」「次はこう進もう!」と私が声を上げても、
当時はなかなか会社全体が一つになれなかったんです。
スタッフにとっては、自分の目の前の仕事が一番大切ですし、
“今までこうしてきたから”という意識も強かった。
だからこそ、経営方針を変えようとすると抵抗も出てきました。

でも私は、2〜3年先を見て判断する立場。
その時点では理解されなくても、形になったときに「なるほど」と共感してもらえる。
だから、今は見えない未来を信じて動くのが、私の役目だと思っています。
あのときが、経営者として一番の“苦労”であり、“成長の経験”でもありました。

そして令和7年10月20日。
法人化からちょうど17年という節目の日を迎えました。
このタイミングで、会社や自分自身の想いを改めて言葉にできたことに、不思議なご縁を感じています。

創業記念日までは、ここまでが「今までのフジトモ」。
そしてこれからは、「第二の創業期」として、新たなステージに進みます。
理念をさらに深掘りし、スタッフ一人ひとりの中に共通の考え方や行動指針を根づかせていく。
業務内容自体は変わりませんが、そこに未来志向と新しい柱を加え、
人材育成にも力を入れていこうと思っています。

そんな思いを象徴する存在が、会社のキャラクター「ともりゅう」です。
実はこのともりゅう、私の顔に似せて作ってもらったキャラクターなんですよ(笑)。
そこから、「スタッフ一人ひとりにも“自分の龍”を持ってもらおう」と考えました。
それぞれに名前を付け、“龍の力”を借りてたくさんの人を幸せに、温かくできるように。
そんな想いを込めて、第二幕としてのフジトモをスタートしました。

他の会社でいえば“肩書き”のようなものを、
私たちは「龍の名前」という形で一人ひとりに託している。
他ではやっていない、私たちらしいやり方で、これからも新しいフジトモを築いていきます。

そしてこれからは、
「守る経営」から「共に生きる経営」へ。
支えるだけでなく、スタッフやお客様、地域と“共に歩む会社”として、
新しいフジトモをつくっていきたいと思っています。

想いを形に——「ミチトモ(導友)」が描く新しい未来

想いは、きっと形になる。

これからの新事業として、「ミチトモ(導友)」というプロジェクトを立ち上げようとしています。
“私たちが導くよ”という意味を込めて、人と人、想いと想いをつなぐ新しい展開にしたいと考えています。

まだ構想の段階ではありますが、少しずつ準備を進めています。
今は、一人、二人と仲間を増やしながら、ゆっくりと形を整えている最中です。
詳細はまだお伝えできませんが、きっと世の中の役に立つ事業になるという確信があります。

実は、「フジトモ」という社名も、私が20歳の頃から決めていた名前なんです。
「絶対に社長になる」と強い想いを持っていた時期に、自然と浮かんできた言葉でした。
だからこそ、新しい「ミチトモ」という名前にも、あの頃の原点と同じようなワクワクを感じています。

不思議なことに、私はこれまで“想い続けたことは必ず叶ってきた”という実感があるんです。
強く思い描くことで、現実がその方向に進んでいく。
だから今回の新事業も、必ず形になると信じています。
叶える、叶った、幸せ——この言葉たちは全部、連鎖していくものなんですよね。

今後は、「地域 × 福祉 × AI × デザイン」
この4つを融合させた取り組みを進めていく予定です。

「地域」には、これまで積み上げてきた私たちの活動があり、
「福祉」では、介護保険を通して高齢者や障がい者の方々を支えてきました。
そこに、「AI」や「デザイン」という新しい視点を取り入れることで、
見て楽しい、触れて安心、使って笑顔になる——
そんな新しい価値を生み出していきたいと思っています。

たとえば、情報を届ける「広報」という立ち位置の人が加われば、
また違った形の発信やコラボレーションもできるはず。
新しい価値を創造し、動けるなら、迷わず挑戦していく。
それが、これからのフジトモのスタイルです。

会社情報

会社名略称. フジトモ株式会社
勤務先名 フジトモ株式会社
理念・使命 「ありがとうが集まる会社」
本社住所 新潟県新潟市江南区鍋潟新田1574番地
代表者名 代表取締役 加藤 智彦様
こんな人に会いたい 共感力があって、「ありがとう」を大切にできる人。
そして、変化を楽しみながら自分で行動できる人。
誰かの幸せを、自分の喜びとして感じられる——
そんな人と一緒に働けたら嬉しいですね。
一人ひとりの想いが重なって、また新しい“ありがとうの輪”が広がっていくと思っています。
事業内容 住宅改修工事/福祉用具貸与・販売/メディア・発信事業
メッセージ うちの会社は、男性よりも女性スタッフのほうが多いんです。
おかげさまで、新潟県のNi-ful(女性活躍実践企業認定制度)でゴールド認定企業として認めていただきました。
女性がもっと活躍できる社会に切り替えていく時代だと思いますし、
その流れの中で、自然と女性スタッフが多く集まってきてくれたことが嬉しいですね。
私ひとりでは思いつかないような発想やアイデアも、若手スタッフや女性スタッフが提案してくれて、
実際に形になっていく。
そうやって会社が進化している実感があります。
だからこそ、これからは若い世代や女性が活躍できる、心豊かな職場文化を発信していきたい。
それがフジトモらしい成長の形だと思っています。
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《Instagram》
@fujitomokko フジトモ株式会社
《ホームページ》
https://www.fujitomo-niigata.co.jp/ 
上記QRコードよりご覧いただけます。

取材者情報

今回の社長へのインタビュアーのご紹介です。
「話を聞きたい!」からお問い合わせを頂いた場合は運営会社の株式会社採用戦略研究所を通して、各インタビュアー者よりご連絡させて頂きます。

取材者名 ㈱採用戦略研究所 土田
住所 新潟県長岡市山田3丁目2-7
電話番号 070‐6433‐5645
事務所HP https://rs-lab.jp

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