地域のライフラインを支え続ける会社を、100年先へ残したい。__電気・空気・水を担う「ローテック」の挑戦と仲間への約束。【代表 関聡氏】
株式会社ローテックホールディングス
祖父から受け継いだ会社
「覚悟」の始まり
私はもともと東京・池袋で育ち、夏休みや冬休みに、祖父の家がある南魚沼に遊びに来る孫、という距離感でした。
大学も工学系に進んで、卒業後は東京の大手サブコンで働きました。汐留や湾岸の再開発がどんどん進んでいた頃で、電気工事、空調、給排水といったインフラをまとめて扱う現場監督をして、ビルというビルを走り回っていました。
その頃から、祖父がやっていた会社(当時は「関電気商会」)については、「いずれ自分が継ぐことになるんだろうな」という意識はどこかにありました。親戚に跡取りがいないこともわかっていましたし、明確に決めていたわけではないけれど、心のどこかで“その覚悟”はしていた気がします。
28歳で南魚沼に来て社長になったのは31歳のとき。
当時は社員もほとんど50代以上。年下は2人だけ。売上も厳しく、債務超過は3億5000万。私自身も社長になった瞬間の年収は420万円。「これは正直このままだと潰れるな」と本気で思いました。
ただ一方で、この地域で暮らす人たちにとって電気がつく、水が出る、空気が流れるって、命に直結するライフラインなんですよね。「地域のライフラインを守る会社を、この先の世代にも残さなきゃいけない」そこだけは、ブレずにやろうと決めたんです。
大学も工学系に進んで、卒業後は東京の大手サブコンで働きました。汐留や湾岸の再開発がどんどん進んでいた頃で、電気工事、空調、給排水といったインフラをまとめて扱う現場監督をして、ビルというビルを走り回っていました。
その頃から、祖父がやっていた会社(当時は「関電気商会」)については、「いずれ自分が継ぐことになるんだろうな」という意識はどこかにありました。親戚に跡取りがいないこともわかっていましたし、明確に決めていたわけではないけれど、心のどこかで“その覚悟”はしていた気がします。
28歳で南魚沼に来て社長になったのは31歳のとき。
当時は社員もほとんど50代以上。年下は2人だけ。売上も厳しく、債務超過は3億5000万。私自身も社長になった瞬間の年収は420万円。「これは正直このままだと潰れるな」と本気で思いました。
ただ一方で、この地域で暮らす人たちにとって電気がつく、水が出る、空気が流れるって、命に直結するライフラインなんですよね。「地域のライフラインを守る会社を、この先の世代にも残さなきゃいけない」そこだけは、ブレずにやろうと決めたんです。
ライフラインを支えるエンジニア集団へ
“電気屋”からトータル設備会社に
私が入社した当時は、完全に「電気工事の会社」でした。地域密着型で、照明がつかなくなった、コンセントを増やしたい、といった困りごとに応える町の電気屋さん。もちろんそれはすごく大事なんだけど、正直それだけでは将来像が描きにくい状態でもありました。
一方で私は東京で、電気・空調・給排水・ネットワークといった“建物の中を流れる全部”をまとめて受けるやり方を経験していました。天井を開ければ、電気の配線も空調のダクトも水の配管もぜんぶ同じ空間を走っているわけで、本当は一緒に考えたほうが早いし、無駄もなく、結果的にお客様にも一番いい形になるんです。「発注先を何社も分けなくていい。まとめて任せられる会社にしよう」それが今のローテックの形につながっています。
そこから水回りの設備会社さんとご縁があって一緒になり、M&Aという形で仲間に入ってもらいました。その後も、もともと付き合いのあった仲間の会社と力を合わせていく中で、関電気商会という昔ながらの名前を「ローテック」に変えました。
“L(Light=電気)・A(Air=空気)・W(Water=水)・Tech(技術)”。
命を支える光・空気・水をトータルで扱えるエンジニア集団になろう、という意味です。
同時に“Law=法”という意味も込めて、コンプライアンスを重視する会社であることも明文化しました。これは2019年に決めた私たちの宣言です。
今は電気・空調・給排水だけじゃありません。
グループ全体では設計事務所もあるし、建築を担う会社もあるし、一級建築士もいる。美容室やクリニックを「ゼロからつくりたい」と言われたら、デザインから設計、建物の施工、そして中身の電気・空気・水・ネットワークまですべて一気通貫でできる状態です。
そして逆に、地域の「ちょっと電気が切れたんだけど」「照明を一個だけ増やしたいんだけど」という声に素早く動くための会社も、グループ内に別で用意しました。細かい依頼にしっかり応えるための“地域密着班”です。大きな病院の新築から、個人宅の照明ひとつまで。どっちもちゃんとやるのがローテックのスタンスです。
一方で私は東京で、電気・空調・給排水・ネットワークといった“建物の中を流れる全部”をまとめて受けるやり方を経験していました。天井を開ければ、電気の配線も空調のダクトも水の配管もぜんぶ同じ空間を走っているわけで、本当は一緒に考えたほうが早いし、無駄もなく、結果的にお客様にも一番いい形になるんです。「発注先を何社も分けなくていい。まとめて任せられる会社にしよう」それが今のローテックの形につながっています。
そこから水回りの設備会社さんとご縁があって一緒になり、M&Aという形で仲間に入ってもらいました。その後も、もともと付き合いのあった仲間の会社と力を合わせていく中で、関電気商会という昔ながらの名前を「ローテック」に変えました。
“L(Light=電気)・A(Air=空気)・W(Water=水)・Tech(技術)”。
命を支える光・空気・水をトータルで扱えるエンジニア集団になろう、という意味です。
同時に“Law=法”という意味も込めて、コンプライアンスを重視する会社であることも明文化しました。これは2019年に決めた私たちの宣言です。
今は電気・空調・給排水だけじゃありません。
グループ全体では設計事務所もあるし、建築を担う会社もあるし、一級建築士もいる。美容室やクリニックを「ゼロからつくりたい」と言われたら、デザインから設計、建物の施工、そして中身の電気・空気・水・ネットワークまですべて一気通貫でできる状態です。
そして逆に、地域の「ちょっと電気が切れたんだけど」「照明を一個だけ増やしたいんだけど」という声に素早く動くための会社も、グループ内に別で用意しました。細かい依頼にしっかり応えるための“地域密着班”です。大きな病院の新築から、個人宅の照明ひとつまで。どっちもちゃんとやるのがローテックのスタンスです。
人を育てる会社でありたい
働く人とその家族を幸せにしたいという約束
南魚沼って人口5万人のまちなんです。ローテックの従業員は140人くらい、そのうち本社だけで80人くらい在籍しているので、建設業でこの人数を採用・維持するのは簡単ではありません。だから本音を言えば「資格も経験もない人」大歓迎です。
ただし、建設業って資格がないとできない仕事が多い。だから“入ってから”全力で育てる仕組みをつくらないといけない。
今は、筆記は専門機関で学んでもらいながら、実務は現場OJTで先輩がつく、という流れになっているんですが…正直、現場の先輩たちの負担が限界にきています。
だから私は本気で「会社で教育施設つくろう」と動いています。
小さな拠点でもいいから、半年みっちり“基礎の座学+実技”をやってから現場に出す。建設業版の職業学校を自分たちで持つイメージです。実現に向けて準備を進めています。
これは、若い人・未経験の人・女性にとってもすごく大事なんです。
今、女性の設計・技術職も少しずつ入社してくれています。でも地方ではまだまだ少ない。例えば施工管理などは、女性が現場監督の補佐をする形でも十分戦力になる。そこから国家資格を取って、一級施工管理技士クラスまで行けば、年収600〜700万円台をちゃんと狙える業界なんです。産休・育休も男女ともに普通に取得できる環境にしているので、「稼げて、ちゃんと休めて、家族も守れる」という働き方をしっかりと見せていきたいです。
経営理念には「社員とその家族の物心両面の幸せ」という言葉があります。
“働いて笑おう”というコーポレートメッセージも掲げています。建設業って正直しんどいことも多いし、仕事中ずっと笑ってろなんて無理なんですが、でも「自分の技術で家族を幸せにできる」という自信、それはめちゃくちゃ誇りをもってほしいです。
10年後どこに住んでも通用する国家資格、現場で役に立てるスキル。そういうものを会社として渡していきたい。
そのために、社内コミュニケーションもかなり意識しています。
ソフトボール大会やバーベキュー、駅伝、バレーボール。全社の方針説明会と懇親会。部署や会社の垣根をこえて一緒に学ぶ「ローテックカレッジ」。県央支店にはジムやバスケットリングまで用意しました。市のジムやプールも会社負担で使用できますし、身体をちゃんと守ってもらう。
私は、社員本人はもちろん、「社員の家族ごと幸せにしたい」って本気で思っています。
ただし、建設業って資格がないとできない仕事が多い。だから“入ってから”全力で育てる仕組みをつくらないといけない。
今は、筆記は専門機関で学んでもらいながら、実務は現場OJTで先輩がつく、という流れになっているんですが…正直、現場の先輩たちの負担が限界にきています。
だから私は本気で「会社で教育施設つくろう」と動いています。
小さな拠点でもいいから、半年みっちり“基礎の座学+実技”をやってから現場に出す。建設業版の職業学校を自分たちで持つイメージです。実現に向けて準備を進めています。
これは、若い人・未経験の人・女性にとってもすごく大事なんです。
今、女性の設計・技術職も少しずつ入社してくれています。でも地方ではまだまだ少ない。例えば施工管理などは、女性が現場監督の補佐をする形でも十分戦力になる。そこから国家資格を取って、一級施工管理技士クラスまで行けば、年収600〜700万円台をちゃんと狙える業界なんです。産休・育休も男女ともに普通に取得できる環境にしているので、「稼げて、ちゃんと休めて、家族も守れる」という働き方をしっかりと見せていきたいです。
経営理念には「社員とその家族の物心両面の幸せ」という言葉があります。
“働いて笑おう”というコーポレートメッセージも掲げています。建設業って正直しんどいことも多いし、仕事中ずっと笑ってろなんて無理なんですが、でも「自分の技術で家族を幸せにできる」という自信、それはめちゃくちゃ誇りをもってほしいです。
10年後どこに住んでも通用する国家資格、現場で役に立てるスキル。そういうものを会社として渡していきたい。
そのために、社内コミュニケーションもかなり意識しています。
ソフトボール大会やバーベキュー、駅伝、バレーボール。全社の方針説明会と懇親会。部署や会社の垣根をこえて一緒に学ぶ「ローテックカレッジ」。県央支店にはジムやバスケットリングまで用意しました。市のジムやプールも会社負担で使用できますし、身体をちゃんと守ってもらう。
私は、社員本人はもちろん、「社員の家族ごと幸せにしたい」って本気で思っています。
この土地で働く価値を、暮らす幸せを
仕事がつなぐもの
東京で働いていた頃とは違い、暮らす場所としての魅力は、正直いまの南魚沼のほうが圧倒的なんです。
ここだと、朝ちょっと雪が降って晴れいたら「今いいな」と思った瞬間にスキー板を車に積んだままゲレンデに行って、30分だけ滑ってから出社、なんてこともできる。キャンプも、バイクも、自転車も、川原で好きに楽しめる。東京みたいに高速代と高いキャンプサイト代を払って、時間をかけて並ぶ必要もなく、ご飯もお米もお酒だって美味しい。
私はもう、東京に“住みに戻りたい”とは思いません。
そのくらい、この土地は生活としての魅力があるんですよね。
それともうひとつ。この地域でインフラを守るっていうのは、ただの工事じゃないんです。病院の水が天井から漏れたら、入院している高齢の方たちに直接影響します。工場の電気が止まったら、1時間で何百万円という損失になって経営が揺らぐこともある。そういうときに「すぐ来てくれて助かった」「ありがとう」を直接もらえる仕事なんです。これはやりがいになります。
あと、ローテックでは“地元の会社だけでやり切れた”っていう誇りを持てる現場がいくつもあるんです。地域でお金をちゃんと回す仕組みを、自分たちで守りたい。それもこの場所でやる意義の一つです。
ここだと、朝ちょっと雪が降って晴れいたら「今いいな」と思った瞬間にスキー板を車に積んだままゲレンデに行って、30分だけ滑ってから出社、なんてこともできる。キャンプも、バイクも、自転車も、川原で好きに楽しめる。東京みたいに高速代と高いキャンプサイト代を払って、時間をかけて並ぶ必要もなく、ご飯もお米もお酒だって美味しい。
私はもう、東京に“住みに戻りたい”とは思いません。
そのくらい、この土地は生活としての魅力があるんですよね。
それともうひとつ。この地域でインフラを守るっていうのは、ただの工事じゃないんです。病院の水が天井から漏れたら、入院している高齢の方たちに直接影響します。工場の電気が止まったら、1時間で何百万円という損失になって経営が揺らぐこともある。そういうときに「すぐ来てくれて助かった」「ありがとう」を直接もらえる仕事なんです。これはやりがいになります。
あと、ローテックでは“地元の会社だけでやり切れた”っていう誇りを持てる現場がいくつもあるんです。地域でお金をちゃんと回す仕組みを、自分たちで守りたい。それもこの場所でやる意義の一つです。
100億・300人企業へ
「この地域のインフラを守る中堅企業」を残したい
私が今一番掲げていることは「教育の場」をちゃんと形にすることです。
未経験の若い人でも、女性でも、安心してこの業界に飛び込める。半年間で基礎と実技を身につけて、国家資格の第一歩を踏み出してから現場に行ける。そういう拠点をつくるのは、1〜3年の近い目標です。
さらなる展望は“中小企業”で終わらせないこと。
私は「中堅企業」までちゃんと育てて、100年後もこの地域のインフラを守れる会社を残したいです。目安は売上100億・社員300人。その規模まで行けば、南魚沼のような地域でも、インフラを自分たちで守り続けられる体制を未来に残せるはずだと信じています。
今はグループ全体で35億くらい。
ここから100億というと、「3倍?正気か?」ってよく言われます。でも私は、本気でそこを目指します。教育で人を育てること、グループで力を束ねること、理念を共有できる仲間を増やすこと。それが全部つながれば、絶対に行けると思っています。そういう会社をこの土地に残して、私は次へとバトンを渡したいです。
どんなに事業が大きくなっても、そういう人と笑いながら会社をつくっていきたい。
それがローテックの未来なんだと思っています。
未経験の若い人でも、女性でも、安心してこの業界に飛び込める。半年間で基礎と実技を身につけて、国家資格の第一歩を踏み出してから現場に行ける。そういう拠点をつくるのは、1〜3年の近い目標です。
さらなる展望は“中小企業”で終わらせないこと。
私は「中堅企業」までちゃんと育てて、100年後もこの地域のインフラを守れる会社を残したいです。目安は売上100億・社員300人。その規模まで行けば、南魚沼のような地域でも、インフラを自分たちで守り続けられる体制を未来に残せるはずだと信じています。
今はグループ全体で35億くらい。
ここから100億というと、「3倍?正気か?」ってよく言われます。でも私は、本気でそこを目指します。教育で人を育てること、グループで力を束ねること、理念を共有できる仲間を増やすこと。それが全部つながれば、絶対に行けると思っています。そういう会社をこの土地に残して、私は次へとバトンを渡したいです。
どんなに事業が大きくなっても、そういう人と笑いながら会社をつくっていきたい。
それがローテックの未来なんだと思っています。
会社情報
| 会社名略称. | 株式会社ローテックホールディングス |
|---|---|
| 勤務先名 | ■株式会社ローテック本社/県央支店(株式会社 山田電気内)/小千谷支店/東京支店 ■株式会社 高橋建築所■株式会社 バトンデザイン■株式会社 ローテックプラス |
| 本社住所 | 新潟県南魚沼市六日町2250 (株式会社ローテック内) |
| 代表者名 | 代表取締役 関 聡様 |
| 1年後〜3年後の目標 | 未経験者や女性でも安心して学べる自社の教育拠点を立ち上げ、入社後すぐに現場へ出るのではなく、半年間で基礎と実技を身につけられるカリキュラムを整備します。 また、各拠点の役割を明確にし、県内外の案件に柔軟に対応できるチームづくりを進めることで、人材が育ち、理念を共有できる強い組織を目指します。 将来的な「100億・300人企業」への成長を見据え、社員一人ひとりが誇りを持って働ける環境を築いていきます。 |
| こんな人に会いたい | 一緒に働くうえで大切なのは、スキルよりも“人柄”だと思っています。 嘘をつかず、前向きで、一生懸命な人。そして、仲間やお客様のためにまっすぐ動ける「いい人」と出会いたいです。どんなに立派な経歴よりも、“誰と仕事をするか”。価値観を共有しながら、一緒に笑い合える仲間が増えていくことを願っています。 |
| 事業内容 | ■特定建設業/電気工事業、管工事業、建築工事業、大工工事業、屋根工事業 タイル・れんが・ブロック工事業、内装仕上工事業 ■一般建設業、その他/電気通信工事業、消防施設工事業 土木工事業、さく井工事業、労働者派遣事業 |
| メッセージ | こちらもご覧ください! 【HP】https://www.lawtech-inc.jp/ |
取材者情報
今回の社長へのインタビュアーのご紹介です。
「話を聞きたい!」からお問い合わせを頂いた場合は運営会社の株式会社採用戦略研究所を通して、各インタビュアー者よりご連絡させて頂きます。
| 取材者名 | ㈱採用戦略研究所 小林 |
|---|---|
| 住所 | 新潟県長岡市山田3丁目2-7 |
| 電話番号 | 070-1476-9740 |
| 事務所HP | https://rs-lab.jp/ |