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母の言葉がくれた勇気。「人生は一度きり」新発田に灯すTENDERの想い。【代表 伊保橋護氏】

PUBLICHOUSETENDER

「人生は一度きり」——夜の世界に惹かれ、灯をともした町へ

一軒の灯がつなぐ想い

若い頃、実は“ホストになりたかった”んです(笑)。
東京に住んでいた時に、歌舞伎町のホストクラブに一日体験入店をしたことがありました。
でも、正直ビビッてしまって……すぐ地元に帰ってきたんです。

そのあと新発田の新道を歩いていたら、男だけのスーツ姿のお店、いわば“田舎ホスト”のような店を見つけて。
そこで働き始めたのが、夜の仕事との最初の出会いでした。
お店にはカクテルメニューなんてなかったのに、なぜかシェイカーだけが置いてあって(笑)。
お客様に「作ってみてよ」なんて言われて練習してみたら、これがもう楽しくて、すっかりハマってしまいました。

その後、結婚などもあって一度は夜の仕事を離れたんですが、完全には抜けきれず……。
週末だけのバイトのはずが、気づけば週5日(笑)。
昼間は塗装業、夜は飲み屋という二足のわらじの生活を続けていました。

そんな中、26歳の時に母が亡くなったんです。
母が教えてくれた「人生って一度きりだよ」という言葉が心に残りました。
それをきっかけに、「自分の人生を本気で生きよう」と決意し、独立を目指すようになりました。

父も昔この町でお店をやっていて、新発田の繁華街は自分にとって“ゆりかごのような場所”なんです。
過疎化が進むこの町で、自分が店を開き、灯りをひとつでも増やせたら——
それが母への恩返しであり、この町への恩返しだと思ったんです。

そして、どうせやるなら本気で。
そう心に決めたとき、頭に浮かんだのは「バーテンダーとしてやっていきたい」という想いでした。
あの時感じた“夜の世界の楽しさ”を、今度は自分の店で、もっと自由に、もっと多くの人に届けたい。
そんな気持ちが強くなっていきました。

みんなの家にしたかった——TENDERが生まれた日

誰もが笑顔になれる、“みんなの居場所”をつくりたかった。

家族と相談して、「やるかー、自営業!」なんて言われてから、
そこからはもう全力でしたね(笑)。
物件探し、資金繰り、当時勤めていた会社への退職の話……。
準備期間からオープンまで、たったの3か月でやり遂げました。

いざ起業となったときに、「こんなお店にしたい!」という明確なビジョンがあったわけじゃないんです。
ただひとつ、“バーテンダーとしてやりたい”という気持ちと、
“新発田にまだないお店を作ってやろう”という想いだけでした。

こだわりは、カクテルの種類が豊富なこと。
これだけは絶対に譲れませんでした。
TENDERの人気ドリンクは、レモンサワー、ハイボール、そしてテキーラ。

ビールはもちろん、ハイボールのグラスもキンキンに冷えた冷凍庫から出します。
この一手間で「ほかとは違うね」と言われることも多いです。
ちなみに、テキーラも冷凍庫に入ってます(笑)。
そうやって一杯一杯にこだわるのが、TENDERのスタイルなんです。

一見どこにでもある定番ですが、実はその裏に“無限の組み合わせ”があるんです。
メニューを見ても「どんなカクテルか想像できない」と思うものがあるかもしれません。
でもそこがTENDERの面白さ。
名前の響きやニュアンスから感じ取って、まずは一杯、挑戦してみてほしい。
その瞬間に、自分だけの“お気に入りの一杯”に出会えるかもしれません。

また、お酒を飲めない方や「今日はノンアルで」という方にも楽しんでもらえるように、
ノンアルコールメニューも他店に負けないほど充実させています。
誰でも気軽に来られて、それぞれの時間を楽しめる。
そんな空間づくりを意識しています。

お店の名前にも想いを込めました。
「PUBLIC HOUSE」は“みんなの家”、
「TENDER」は“バーテンダー”の“バー”をとってつけました。
誰でも気軽に入れて、楽しい時間を過ごせる場所にしたかったんです。

心が変われば、店も変わる

経営者としての転機

起業した当時から、TENDERのコンセプトは少しずつ変わってきました。
コロナ禍の苦労もありましたし、“商売”というものと、自分が“やりたいこと”が、
だんだんと分離してきたように感じていたんです。

そんな時、ある先輩に言われた言葉が今でも心に残っています。
「独立するって、人よりいい生活したいからだよね。根底ってそこじゃないの?」
その言葉を聞いたとき、ハッとしました。

たとえ手間がかからなくても、
“想いがこもっているもの”であれば人に響く。
でも逆に、どんなに考えて作ったとしても、
“自分のエゴ”だけで作ったものって、果たしてどうなんだろう?と。
その瞬間、「やりたいこと」と「商売として生きていくこと」は違うのかもしれないと思いました。

これまでは、「払うものを払えて、守るべきものを守れていればそれでいい」
そんな感覚でやっていたんです。
でも、2年半ほど前に「このままではダメだ」と思いました。

11年半、青年会議所に所属して、経営者仲間に囲まれていたのに、
なぜ気づけなかったんだろうと。
それが、自分にとっての大きな転機でした。

“不便ではないけど、満足もしていない”──そんな日々の中で、
「自分が変わらなきゃ、お店は変わらない」と気づいたんです。

そこから、身だしなみや見た目を整えることよりも、
まずは“心の中”を整えるようになりました。
中身が変われば、自然と外見も変わっていく。
それを体感した時期でもあります。

見た目で勝負するのではなく、
心や気持ちを磨くことで、関わる人も自然と変わっていく。
それが、自分にとって本当の“経営の転機”でした。

あんまり言いたくないけど、コロナ禍での休業などが、
もしかしたらこういう考えにさせてくれたのかもしれないですね。
止まらざるを得なかった時間が、結果的に自分を見つめ直すきっかけになったのかもしれません。

仲間がいるから、店は続く

“ファミリー”というチーム

今現在、スタッフは3名。
僕はみんなのことを“ファミリー”って呼んでいます。

年齢もバラバラで、30代、20代と一緒に頑張ってくれています。
その中の一人は、もう6年働いてくれているんですが、
もともとはTENDERの常連さんだったんです。

ある日「ここで働きたいです!」って志願してくれて。
正直、珍しい子だなと思いました(笑)。
うちは声も張らないといけない店で、
当時いたスタッフや僕なんて、ガソリンスタンドか昭和の寿司屋かってくらい
大きな声で「いらっしゃいませ!」って言うタイプ(笑)。
だから最初は「大丈夫かな?」って思ってました。

でもその子は「出来ます!やります!」って言ってくれて、
本当に仲間になってくれたんです。
そこからずっと一緒に頑張ってくれている姿を見ると、
やっぱり“人の力”って大きいなって感じますね。

今後もしスタッフが「独立したい」と言ったら、
全力でサポートしてあげたいと思っています。
自分で立つってことは、それだけ強い覚悟があるってことですから。

今いる3人も、きっと近い将来、それぞれの道に進むと思うんです。
だからこそ、これからのことも考えています。

もし「TENDERで働きたい」という人がいたら、
未経験者も経験者も大歓迎!
お酒に詳しい人じゃなくていいんです。
「お酒が大好き」「接客が好き」「自分はちょっと図々しいかも(笑)」
そんな風に思える人なら、きっと楽しめると思います。

とにかく“ガツガツいける人”。
一緒に笑って、一緒に店を盛り上げてくれる仲間に出会いたいですね。
ちなみに、LINEの公式アカウントで求人募集もしています!

挑戦は終わらない——次のステージへ

経営者として、新たな光を灯す

これからは、プレイヤーとしてではなく、経営者として
お店と関わっていけるようになりたいと思っています。

今はまだ現場に立ってカクテルを作ったり、スタッフと一緒に動いたりしていますが、
いずれは“現場に立たなくても店が回る仕組み”をつくっていきたい。
そして、そのうえで自分はもっと広い視野でTENDERを見ていけるようになりたいです。

将来的には、多店舗展開も視野に入れています。
でも、それは「店舗を増やしたい」だけではなく、
“人の居場所を増やしていきたい”という想いがあるから。

飲食業にとらわれず、もしチャンスがあれば
新しいビジネスにもどんどん挑戦していきたいと思っています。

そのためにも、今は自分自身のスキルや知識、経験を積み重ねていく段階。
お店を任せられる人材を育て、自分も経営者としての力を磨いて、
TENDERの灯を“違う町内”にも広げていけたら最高ですね。

挑戦はまだまだこれから。
地元・新発田の夜をもっと楽しく、もっと明るくしていきたいです。

会社情報

会社名略称. PUBLICHOUSETENDER
勤務先名 PUBLICHOUSETENDER
本社住所 新潟県新発田市中央町3‐8‐1
代表者名 代表 伊保橋 護様
事業内容 飲食業
メッセージ 悩んでるヒマがあったら動け!!
でもね、同時にとことん悩んでほしいんです。

僕の根っこにあるのは、母が最期に教えてくれた言葉。
「人生は1回しかない」
その言葉があったから、僕は後悔したくないと思えた。

母はいつも「応援してるから」「お店出したら飲みに行くから〜」って言ってくれてたんですけど、
それは叶わなかった。

でも、母が残してくれた言葉は、今も僕の中でずっと生きています。
だからこそ、迷ったら一歩踏み出してほしい。
行動すれば、きっと何かが変わるから。
その他 営業時間 20:00~2:00
月曜定休日
セット料金:1,200円
席代/お通し/カラオケ
水と氷使い放題/時間制限なし

取材者情報

今回の社長へのインタビュアーのご紹介です。
「話を聞きたい!」からお問い合わせを頂いた場合は運営会社の株式会社採用戦略研究所を通して、各インタビュアー者よりご連絡させて頂きます。

取材者名 ㈱採用戦略研究所 土田
住所 新潟県長岡市山田3丁目2-7
電話番号 070‐6433‐5645
事務所HP https://rs-lab.jp

話を聞きたい!