ヘルスケアのビッグデータと予防医療で、 新潟から「世界一健康な街」を目指す__アイセックが描く、健康の社会実装【代表 木村大地氏】
株式会社アイセック (iSEQ.inc)
健康寿命と、人生の健康な時間の現実
最期の10年を、どう生きるか
人生の最期を、どんな状態で迎えたいか。
そのことを、日常の中で真剣に考える機会は、実はあまり多くないのではないでしょうか。
多くの方は、「まだ先の話」「自分は大丈夫」そう思いながら、日々を過ごしていると思います。人生の中で「健康」は、あまりにも当たり前すぎて、改めて向き合うきっかけが少ないものです。
ただ、日本全体、そして新潟県内の統計を見ると、最後の10年間は“不健康な期間”になる可能性が高いと言われています。平均寿命が男女ともに80数歳だとすると、健康寿命__自立して生きられる健康な期間は70数歳。差し引きすると、人生の最期のおおよそ10年は、不健康な状態で過ごす可能性が高いということになります。
私は、その“当たり前”を、少しでも変えていきたいと考えてきました。
できることなら、最期まで健康に生ききれる世の中に近づけたい。
そのための仕組みを、社会の中につくっていきたいと思っています。
では、どうやって実現していくのか。
医学の世界には、病気になってから治すための「治療」の学問と、病気にならないように予防するための「予防医療」という考え方があります。
私たちは、つい不健康な生活習慣を選んでしまいがちです。
お酒を飲んだ後にラーメンを食べに行ってしまったり、タバコを吸ってしまったり、ついつい運動不足になってしまったり。ただ、予防医療の学問を活かし、エビデンス(根拠)に基づいた生活習慣を行うことで、そうした選択を少しずつ変えていくことはできると考えています。
とはいえ、新潟県に約210万人いる中で、一人ひとりに直接伝えていくのは現実的ではありません。だからこそ当社は、企業を通じて働く人とその家族に向けて、“自然と健康になっていく文化”をつくっていくことに取り組んでいます。
会社の環境を変える。
そのために活用できるのが、年に1回行われる健康診断という文化です。
健康診断のデータを活用し、いきいきと健康に働き続けられる仕掛けや、風土・文化をつくっていく。それが、アイセックの事業の中心にある考え方です。
その考え方を、実際の事業として形にしているのがアイセックであり、現在は健診データを起点に、主に以下の事業を展開しています。
健診データを中心としたヘルスケアのビッグデータ分析、エビデンスに基づく健康教育、場所に左右されないオンライン健康相談、そして、企業の健康経営を推進するための支援です。
これらを単発の取り組みで終わらせるのではなく、「健診 → データ分析 → 教育・支援 → 行動変容」までを「一気通貫」で支え続けることを、私たちは大切にしています。
そのことを、日常の中で真剣に考える機会は、実はあまり多くないのではないでしょうか。
多くの方は、「まだ先の話」「自分は大丈夫」そう思いながら、日々を過ごしていると思います。人生の中で「健康」は、あまりにも当たり前すぎて、改めて向き合うきっかけが少ないものです。
ただ、日本全体、そして新潟県内の統計を見ると、最後の10年間は“不健康な期間”になる可能性が高いと言われています。平均寿命が男女ともに80数歳だとすると、健康寿命__自立して生きられる健康な期間は70数歳。差し引きすると、人生の最期のおおよそ10年は、不健康な状態で過ごす可能性が高いということになります。
私は、その“当たり前”を、少しでも変えていきたいと考えてきました。
できることなら、最期まで健康に生ききれる世の中に近づけたい。
そのための仕組みを、社会の中につくっていきたいと思っています。
では、どうやって実現していくのか。
医学の世界には、病気になってから治すための「治療」の学問と、病気にならないように予防するための「予防医療」という考え方があります。
私たちは、つい不健康な生活習慣を選んでしまいがちです。
お酒を飲んだ後にラーメンを食べに行ってしまったり、タバコを吸ってしまったり、ついつい運動不足になってしまったり。ただ、予防医療の学問を活かし、エビデンス(根拠)に基づいた生活習慣を行うことで、そうした選択を少しずつ変えていくことはできると考えています。
とはいえ、新潟県に約210万人いる中で、一人ひとりに直接伝えていくのは現実的ではありません。だからこそ当社は、企業を通じて働く人とその家族に向けて、“自然と健康になっていく文化”をつくっていくことに取り組んでいます。
会社の環境を変える。
そのために活用できるのが、年に1回行われる健康診断という文化です。
健康診断のデータを活用し、いきいきと健康に働き続けられる仕掛けや、風土・文化をつくっていく。それが、アイセックの事業の中心にある考え方です。
その考え方を、実際の事業として形にしているのがアイセックであり、現在は健診データを起点に、主に以下の事業を展開しています。
健診データを中心としたヘルスケアのビッグデータ分析、エビデンスに基づく健康教育、場所に左右されないオンライン健康相談、そして、企業の健康経営を推進するための支援です。
これらを単発の取り組みで終わらせるのではなく、「健診 → データ分析 → 教育・支援 → 行動変容」までを「一気通貫」で支え続けることを、私たちは大切にしています。
「もっと早く健診を受けていれば」
15歳の原体験が、すべての出発点になった
私が健康診断に強く関心を持つようになったのは、15歳のときです。
幼い頃から剣道教室に通っており、そこで一人の恩師に出会いました。
恩師は、剣道だけでなく、キャンプや釣りにも連れていってくれて、大好きな方でした。
中学に上がる頃、その先生から自宅に一本の電話がありました。
かすれた声で、こう言われたことを、今でもはっきりと覚えています。
「大地、ごめんな。俺、喉頭癌になった。これから剣道もできないし、釣りもキャンプも行けない。ごめんな。」
その後、私は幼馴染と一緒に、二週間に一度、先生のいる病院へ通うようになりました。
亡くなる一か月ほど前、待合室に呼ばれ、先生は大粒の涙を流しながら、こう話してくれました。
「俺は1%しか治らないといわれる手術を受けることにした。死にたくないんだ。」
その一か月後、先生は亡くなりました。
先生はお酒もタバコも好きな方で、闘病生活の中では、「タバコ、吸わなきゃよかったな…」そんな後悔の言葉も口にしていました。
そして葬儀の場で、奥様がぽつりとこう言ったんです。「もっと早く健診を受けていればね……」
その言葉を聞いたとき、私は初めて考えるようになりました。
もし、当たり前のように誰もがみんな健診を受ける文化があったなら。。。
変えられた未来があったのではないか__そう思うようになったのです。
恩師からは二つのことを学んだと思っています。
・人は、どのように死を迎えるのか。
・そして、どんな後悔を抱えながら、人生の終わりを迎えるのか。
与えられた寿命の最期にある“不健康な期間”を、一か月でも、一年でも短くしたい。
「みんなが当たり前に健康診断を受けて、健康で後悔しない世の中をつくりたい」
そう思ったことが、私の原点であり、今もこの挑戦を続けている理由です。
幼い頃から剣道教室に通っており、そこで一人の恩師に出会いました。
恩師は、剣道だけでなく、キャンプや釣りにも連れていってくれて、大好きな方でした。
中学に上がる頃、その先生から自宅に一本の電話がありました。
かすれた声で、こう言われたことを、今でもはっきりと覚えています。
「大地、ごめんな。俺、喉頭癌になった。これから剣道もできないし、釣りもキャンプも行けない。ごめんな。」
その後、私は幼馴染と一緒に、二週間に一度、先生のいる病院へ通うようになりました。
亡くなる一か月ほど前、待合室に呼ばれ、先生は大粒の涙を流しながら、こう話してくれました。
「俺は1%しか治らないといわれる手術を受けることにした。死にたくないんだ。」
その一か月後、先生は亡くなりました。
先生はお酒もタバコも好きな方で、闘病生活の中では、「タバコ、吸わなきゃよかったな…」そんな後悔の言葉も口にしていました。
そして葬儀の場で、奥様がぽつりとこう言ったんです。「もっと早く健診を受けていればね……」
その言葉を聞いたとき、私は初めて考えるようになりました。
もし、当たり前のように誰もがみんな健診を受ける文化があったなら。。。
変えられた未来があったのではないか__そう思うようになったのです。
恩師からは二つのことを学んだと思っています。
・人は、どのように死を迎えるのか。
・そして、どんな後悔を抱えながら、人生の終わりを迎えるのか。
与えられた寿命の最期にある“不健康な期間”を、一か月でも、一年でも短くしたい。
「みんなが当たり前に健康診断を受けて、健康で後悔しない世の中をつくりたい」
そう思ったことが、私の原点であり、今もこの挑戦を続けている理由です。
社会の仕組みと向き合う中で見えてきた、自分の役割
縦割りの先に、市民の暮らしは見えているか
当時、私は「医師になろう」と考えていたわけではありません。
健康に強い関心はありましたが、国会議員になれば健康診断の文化も変えられるのではないかと思い、学生時代は国会議員事務所で働いていた時期もありました。
ただ、実際にその活動に携わる中で、「これは自分が思っていたものと少し違うのかもしれない」と思うようになります。そうして新潟に戻り、2003年に健診機関へ入職しました。
その後、2008年にメタボ健診が始まり、健診データの規格統一が進められる流れの中で、ご縁があって厚生労働省のシステムを担う企業に統括マネージャーとして入社します。健診データを中心とした健康データの規格統一や活用スキームの設計に関わり、国の健康施策に関わる主要団体や日本医師会などと連携しながら、システム側の立場で制度づくりの現場に携わりました。
制度の内側を知る、非常に貴重な経験でした。
その中で見えてきたのが、日本の医療や行政が縦割り構造で成り立っているという現実です。
医療、予防医療、データの規格統一といった分野がそれぞれ個別に進み、市民一人ひとりの日々の生活の視点や健康に対する価値観や課題が、十分に届いていない場面が多くありました。
誰かを否定したかったわけではありません。
ただ、その間に立ち、分断されがちな仕組みをつなぐ役割が、どうしても必要だと強く思ったのです。
こうした現実を前に、健康づくりを社会に根付かせるには、現場とデータ、そして組織や立場を越えたつながりを、自分自身の手で形にしていく必要があると考えるようになりました。
35歳くらいで起業しようと考えてMBA取得のために大学院にも通い始めて一年目、2011年、東日本大震災が起きます。映像を通して、“生きたくても生きられなかった人たち”の現実を目の当たりにし、「やりたいと思っているなら、今やろう」と決意しました。
2011年6月、「連動する」という意味を込めて、リンケージという一社目の会社を都内で起業します。
最初の会社では、大手企業の従業員向け健康支援をはじめ、当時はまだ一般的ではなかったオンライン診療の仕組みづくりにも取り組みました。海外駐在員向けのメンタルヘルス支援、沖縄県の離島におけるオンラインでのメタボ保健指導、オンライン禁煙外来の開発など、場所や環境に左右されない健康支援の形を開発し実現してきました。
制度や多くの関係者が関わる領域で、イノベーションは簡単ではない場面も多くありましたが、不健康に関する社会課題を可視化し、改善策を構築し、関係団体を巻き込みながら前に進めていく。この経験や積み重ねは、今の事業にも確実につながっていると感じています。
一方で、事業が大きくなるにつれて、本来は手段であるはずの取り組みが、目的そのものになってしまいそうになる場面もありました。オンライン診療や禁煙外来は、あくまで健康寿命を延ばすための手段です。それ自体をゴールにしてしまうことに、次第に違和感を覚えるようになりました。
私はあくまで、健康寿命の延伸を目的にしたい。
その思いから、会社を前任の役員に託し、新潟に戻る決断をします。
東京で事業を続けていても、父や母、祖父母や親戚などの大切な家族や地域に、直接還元できていないのではないか。そう感じたことも、大きな理由の一つでした。
その後、予防医療をどうすれば社会実装できるのかを考える中で、私は曽根博仁教授のもとで学びたいと考え、新潟大学医学部の門を叩きます。曽根博仁教授は、糖尿病研究の分野で国内外から高い評価を受け、厚生労働省の委員会座長を務めるなど、ヘルスケアのビッグデータを解析・評価する第一人者として知られる存在です。
私自身、社会課題や解決の方向性は見えていても、そこに科学的な裏付けが足りていないことを実感していました。だからこそ、エビデンスを基盤に予防医療を捉える視点を学びたいと思い、新潟大学大学院医歯学総合研究科(修士課程)へ進学しました。
そこでいただいたのが、「それだけの経験があるなら、学生として学びながらも共に会社を作って新潟県民の健康寿命延伸のために挑戦しましょう」という言葉でした。
新潟大学医学部が保有する、人々が病気にならないための、多くの予防医療のエビデンスを社会実装して、新潟県の健康寿命延伸を本気で実現していこう。
その想いのもとに生まれたのが、アイセックです。
新潟大学発ベンチャー認定企業第一号としてのスタートでした。
健康に強い関心はありましたが、国会議員になれば健康診断の文化も変えられるのではないかと思い、学生時代は国会議員事務所で働いていた時期もありました。
ただ、実際にその活動に携わる中で、「これは自分が思っていたものと少し違うのかもしれない」と思うようになります。そうして新潟に戻り、2003年に健診機関へ入職しました。
その後、2008年にメタボ健診が始まり、健診データの規格統一が進められる流れの中で、ご縁があって厚生労働省のシステムを担う企業に統括マネージャーとして入社します。健診データを中心とした健康データの規格統一や活用スキームの設計に関わり、国の健康施策に関わる主要団体や日本医師会などと連携しながら、システム側の立場で制度づくりの現場に携わりました。
制度の内側を知る、非常に貴重な経験でした。
その中で見えてきたのが、日本の医療や行政が縦割り構造で成り立っているという現実です。
医療、予防医療、データの規格統一といった分野がそれぞれ個別に進み、市民一人ひとりの日々の生活の視点や健康に対する価値観や課題が、十分に届いていない場面が多くありました。
誰かを否定したかったわけではありません。
ただ、その間に立ち、分断されがちな仕組みをつなぐ役割が、どうしても必要だと強く思ったのです。
こうした現実を前に、健康づくりを社会に根付かせるには、現場とデータ、そして組織や立場を越えたつながりを、自分自身の手で形にしていく必要があると考えるようになりました。
35歳くらいで起業しようと考えてMBA取得のために大学院にも通い始めて一年目、2011年、東日本大震災が起きます。映像を通して、“生きたくても生きられなかった人たち”の現実を目の当たりにし、「やりたいと思っているなら、今やろう」と決意しました。
2011年6月、「連動する」という意味を込めて、リンケージという一社目の会社を都内で起業します。
最初の会社では、大手企業の従業員向け健康支援をはじめ、当時はまだ一般的ではなかったオンライン診療の仕組みづくりにも取り組みました。海外駐在員向けのメンタルヘルス支援、沖縄県の離島におけるオンラインでのメタボ保健指導、オンライン禁煙外来の開発など、場所や環境に左右されない健康支援の形を開発し実現してきました。
制度や多くの関係者が関わる領域で、イノベーションは簡単ではない場面も多くありましたが、不健康に関する社会課題を可視化し、改善策を構築し、関係団体を巻き込みながら前に進めていく。この経験や積み重ねは、今の事業にも確実につながっていると感じています。
一方で、事業が大きくなるにつれて、本来は手段であるはずの取り組みが、目的そのものになってしまいそうになる場面もありました。オンライン診療や禁煙外来は、あくまで健康寿命を延ばすための手段です。それ自体をゴールにしてしまうことに、次第に違和感を覚えるようになりました。
私はあくまで、健康寿命の延伸を目的にしたい。
その思いから、会社を前任の役員に託し、新潟に戻る決断をします。
東京で事業を続けていても、父や母、祖父母や親戚などの大切な家族や地域に、直接還元できていないのではないか。そう感じたことも、大きな理由の一つでした。
その後、予防医療をどうすれば社会実装できるのかを考える中で、私は曽根博仁教授のもとで学びたいと考え、新潟大学医学部の門を叩きます。曽根博仁教授は、糖尿病研究の分野で国内外から高い評価を受け、厚生労働省の委員会座長を務めるなど、ヘルスケアのビッグデータを解析・評価する第一人者として知られる存在です。
私自身、社会課題や解決の方向性は見えていても、そこに科学的な裏付けが足りていないことを実感していました。だからこそ、エビデンスを基盤に予防医療を捉える視点を学びたいと思い、新潟大学大学院医歯学総合研究科(修士課程)へ進学しました。
そこでいただいたのが、「それだけの経験があるなら、学生として学びながらも共に会社を作って新潟県民の健康寿命延伸のために挑戦しましょう」という言葉でした。
新潟大学医学部が保有する、人々が病気にならないための、多くの予防医療のエビデンスを社会実装して、新潟県の健康寿命延伸を本気で実現していこう。
その想いのもとに生まれたのが、アイセックです。
新潟大学発ベンチャー認定企業第一号としてのスタートでした。
「健診を受けっぱなし」にしない
データとエビデンスで、健康行動を変えていく
しかし、設立直後にはコロナ禍という大きな壁にも直面します。
立ち上げ当初に思い描いていた事業計画は、対面を前提としたものが多く、そのままではほとんど実行できなくなりました。そんな中で、改めて立ち返ったのが、「健診データを、どう活用するか」「健康教育を、どう届けるか」という原点でした。
対面での取り組みが難しくなる中で、改めて活かされたのが、これまで培ってきたオンラインで健康支援の経験でした。その知見をもとに、オンライン健康教育やeラーニングといった形へと展開し、県の予算も活用しながら、場所や状況に左右されず、健康について学び、考えられる環境を少しずつ整えていきました。
もう一つ、立ちはだかったのが、新潟県内における「健康づくりの文化」そのものでした。
国が「健康経営」を打ち出した2014年頃から、東京では一気に流れが広がっていきましたが、新潟に戻ってみると、「健康経営? 何それ?」という反応が、正直なところほとんどだったのです。
だからこそ、まずは普及啓発から始める必要があると考えました。
新潟県庁やメディア、経済団体、大学など、さまざまな立場の方々と連携しながら、労働人口減少や採用難、従業員の活性化なども含めて「健康経営の仕組みは知った方がいいよね」「やらないことにも、実はリスクがあるよね」そんなメッセージを、セミナーや講演を通じて伝え続けてきました。
健康診断についても、同じ課題を感じています。
おそらく、「健康診断を受けたくてウズウズしゃちゃう!」という人はほとんどいないと思います。会社側も、「どうしても従業員に受けさせたい!」と強く思っているケースは、決して多くないと思います。
しかし、健康経営を始めると、自然と従業員の健康度を可視化したり、対策を講じれる仕組みができてくるので、個人も組織も、健康意識は確実に変わります。
実際、健診では約半数の方が何らかの所見に該当しますが、再検査に行かず、放置してしまう人も少なくありません。救急車の出動理由統計を見ても、数年間、再検査を受けていない人が救急搬送されるケースが多いのが現実です。
だからこそアイセックでは、「健診を受けて終わり」にしない仕組みを大切にしています。
会社という組織の力を使い、放置されがちな健康リスクを、自然と次の健康行動につなげていく。そこに、予防医療の大きな可能性があると考えています。
私たちの強みは、健康づくりを「経験や勘」で判断するのではなく、ヘルスケアのビッグデータを活用し、エビデンスに基づいて課題を明確に可視化し、対策を講じることができる点です。
健診データを中心に、医療や健診結果数値、生活習慣に関わる問診データを、個人が特定されない形で分析することで、個人単位では見えにくい「地域」や「組織」ごとの健康課題を可視化しています。
自治体や企業から提供されたデータを分析すると、地域ごとの健康傾向やリスクが明らかになってきます。実際に、新潟市のデータを分析した際には、脳梗塞による死亡割合が政令指定都市でワースト一位など、全国と比べて高いことが分かりました。さらに行政区ごとに見ていくと、特定の地域でリスクが高い傾向も見えてきます。
そこから、食文化や運動習慣、医療アクセスなど、さまざまな仮説を立て、研究や先行事例を踏まえながら、「では、何から改善していくべきか」を一緒に考えていく。
健診データをデータベース化し、従業員自身が確認できる環境を整えることで、結果を見るだけで終わらず、健康教育へと自然につながっていく。そんな流れを、少しずつ形にしてきました。
こうした取り組みを続ける中で、確かな変化を感じる場面も増えてきました。
経営者や担当者の方が「うちは、健康づくりに本気で取り組もう」と一歩動いてくれる。
その決断によって、健康に対する組織の意識が変わり、企業ごとに健診データや働き方の指標を見ていくと、「以前より数値が改善している」「従業員がイキイキ働けている」「労働生産性も向上している」そんな兆しが、数字として表れてくるようになったのです。
日々の積み重ねを、一気通貫で支え続ける。
その伴走ができていると実感できることが、この仕事を続けていて、何よりうれしい瞬間です。
立ち上げ当初に思い描いていた事業計画は、対面を前提としたものが多く、そのままではほとんど実行できなくなりました。そんな中で、改めて立ち返ったのが、「健診データを、どう活用するか」「健康教育を、どう届けるか」という原点でした。
対面での取り組みが難しくなる中で、改めて活かされたのが、これまで培ってきたオンラインで健康支援の経験でした。その知見をもとに、オンライン健康教育やeラーニングといった形へと展開し、県の予算も活用しながら、場所や状況に左右されず、健康について学び、考えられる環境を少しずつ整えていきました。
もう一つ、立ちはだかったのが、新潟県内における「健康づくりの文化」そのものでした。
国が「健康経営」を打ち出した2014年頃から、東京では一気に流れが広がっていきましたが、新潟に戻ってみると、「健康経営? 何それ?」という反応が、正直なところほとんどだったのです。
だからこそ、まずは普及啓発から始める必要があると考えました。
新潟県庁やメディア、経済団体、大学など、さまざまな立場の方々と連携しながら、労働人口減少や採用難、従業員の活性化なども含めて「健康経営の仕組みは知った方がいいよね」「やらないことにも、実はリスクがあるよね」そんなメッセージを、セミナーや講演を通じて伝え続けてきました。
健康診断についても、同じ課題を感じています。
おそらく、「健康診断を受けたくてウズウズしゃちゃう!」という人はほとんどいないと思います。会社側も、「どうしても従業員に受けさせたい!」と強く思っているケースは、決して多くないと思います。
しかし、健康経営を始めると、自然と従業員の健康度を可視化したり、対策を講じれる仕組みができてくるので、個人も組織も、健康意識は確実に変わります。
実際、健診では約半数の方が何らかの所見に該当しますが、再検査に行かず、放置してしまう人も少なくありません。救急車の出動理由統計を見ても、数年間、再検査を受けていない人が救急搬送されるケースが多いのが現実です。
だからこそアイセックでは、「健診を受けて終わり」にしない仕組みを大切にしています。
会社という組織の力を使い、放置されがちな健康リスクを、自然と次の健康行動につなげていく。そこに、予防医療の大きな可能性があると考えています。
私たちの強みは、健康づくりを「経験や勘」で判断するのではなく、ヘルスケアのビッグデータを活用し、エビデンスに基づいて課題を明確に可視化し、対策を講じることができる点です。
健診データを中心に、医療や健診結果数値、生活習慣に関わる問診データを、個人が特定されない形で分析することで、個人単位では見えにくい「地域」や「組織」ごとの健康課題を可視化しています。
自治体や企業から提供されたデータを分析すると、地域ごとの健康傾向やリスクが明らかになってきます。実際に、新潟市のデータを分析した際には、脳梗塞による死亡割合が政令指定都市でワースト一位など、全国と比べて高いことが分かりました。さらに行政区ごとに見ていくと、特定の地域でリスクが高い傾向も見えてきます。
そこから、食文化や運動習慣、医療アクセスなど、さまざまな仮説を立て、研究や先行事例を踏まえながら、「では、何から改善していくべきか」を一緒に考えていく。
健診データをデータベース化し、従業員自身が確認できる環境を整えることで、結果を見るだけで終わらず、健康教育へと自然につながっていく。そんな流れを、少しずつ形にしてきました。
こうした取り組みを続ける中で、確かな変化を感じる場面も増えてきました。
経営者や担当者の方が「うちは、健康づくりに本気で取り組もう」と一歩動いてくれる。
その決断によって、健康に対する組織の意識が変わり、企業ごとに健診データや働き方の指標を見ていくと、「以前より数値が改善している」「従業員がイキイキ働けている」「労働生産性も向上している」そんな兆しが、数字として表れてくるようになったのです。
日々の積み重ねを、一気通貫で支え続ける。
その伴走ができていると実感できることが、この仕事を続けていて、何よりうれしい瞬間です。
新潟を、世界一健康な街へ
人が戻り、選ばれ続ける地域をつくるために
「世界一健康な街をつくる」
その目標を、新潟で本気で実現したいと考えています。
その想いは、決して遠い理想だけを語っているわけではありません。
私たちは、健康づくりを支える立場として、まず自分たち自身が「健康に働くとはどういうことか」を、日々の仕事の中で大切にしています。
現在、アイセックで常時働いているのは10名ほど。
保健師が3名、事務スタッフが4名、営業が1名、そして私と役員が2名という体制です。
その他、医療やシステム面の専門家が関わり、30名規模のチームで運営しております 。
専門性はそれぞれ違いますが、共通して大切にしているのは、「アイセックのメンバーである限り、誰よりも健康であってほしい」という想いです。
その想いを形にするために、例えば、「365日ノー残業デー」と言っているように、残業はほとんどありません。遅くまで働けば、どうしても食生活が乱れ、生活リズムも崩れてしまう。だからこそ、仕事と生活のバランスを大切にしたいと思っています。
働く場所についても、柔軟に対応しています。療育児を抱える社員など通勤が難しい状況ではリモートワークを取り入れていますし、月に一度、入浴料は会社が負担して、温泉やスパ施設で仕事をすることも勧めています。希望する社員は、週休3日制を導入しているのも、その一つです。
それぞれの事情に合わせて、無理なく活躍できる選択肢を常に持てるようにしています。
また、家族との時間も、とても大切にしてほしいと思っています。
例えば、子供の入学式や卒業式、運動会などの学校行事は、「遠慮せず、どんどん行ってきてください」と伝えています。そうした空気をつくること自体が、とても重要だと感じています。
さまざまな福利厚生制度がありますが、つくって終わりではありません。
ちゃんと使われているかを統計的に見ながら、必要があれば改善していく。その姿勢は、自社の働き方でも、支援先の企業への提案でも変わりません。
新潟県には約7万社の企業があり、そのうち96%は50人未満の中小企業で、県民の全労働人口の6割以上となります。そこで働く人たちの健康づくりに、しっかりとリーチできれば、県民全体の健康寿命は、確実に伸びていくと考えています。その結果として、日本のみならず世界でもトップクラスに「健康な地域」になっていくはずです。
それが実現できたとき、私自身のご先祖や両親に、誇りに思ってもらえる生き方ができるのではないか。ひいては、アイセックに関わる従業員も誇りに思える会社となっていくのではないか。そんな想いもあります。
新潟では人口減少が課題と言われていますが、若い人たちは、一度は県外に出てもいいと思っています。そのうえで、健康に生活できる地元を選択し、「最後はやっぱり新潟がいいよね」そう思って戻ってこられる地域をつくりたい。
そうした取り組みが、新潟の一つのロールモデルになれば、ほかの都道府県にも広げていけるはずです。実際に今も、沖縄県や奈良県などで、健康経営推進の支援にも関わっています。
この「エビデンスに基づく健康支援の「新潟モデル」」を磨き上げ、全国へと届けられる仕組みへと育てていきたいと考えています。
その目標を、新潟で本気で実現したいと考えています。
その想いは、決して遠い理想だけを語っているわけではありません。
私たちは、健康づくりを支える立場として、まず自分たち自身が「健康に働くとはどういうことか」を、日々の仕事の中で大切にしています。
現在、アイセックで常時働いているのは10名ほど。
保健師が3名、事務スタッフが4名、営業が1名、そして私と役員が2名という体制です。
その他、医療やシステム面の専門家が関わり、30名規模のチームで運営しております 。
専門性はそれぞれ違いますが、共通して大切にしているのは、「アイセックのメンバーである限り、誰よりも健康であってほしい」という想いです。
その想いを形にするために、例えば、「365日ノー残業デー」と言っているように、残業はほとんどありません。遅くまで働けば、どうしても食生活が乱れ、生活リズムも崩れてしまう。だからこそ、仕事と生活のバランスを大切にしたいと思っています。
働く場所についても、柔軟に対応しています。療育児を抱える社員など通勤が難しい状況ではリモートワークを取り入れていますし、月に一度、入浴料は会社が負担して、温泉やスパ施設で仕事をすることも勧めています。希望する社員は、週休3日制を導入しているのも、その一つです。
それぞれの事情に合わせて、無理なく活躍できる選択肢を常に持てるようにしています。
また、家族との時間も、とても大切にしてほしいと思っています。
例えば、子供の入学式や卒業式、運動会などの学校行事は、「遠慮せず、どんどん行ってきてください」と伝えています。そうした空気をつくること自体が、とても重要だと感じています。
さまざまな福利厚生制度がありますが、つくって終わりではありません。
ちゃんと使われているかを統計的に見ながら、必要があれば改善していく。その姿勢は、自社の働き方でも、支援先の企業への提案でも変わりません。
新潟県には約7万社の企業があり、そのうち96%は50人未満の中小企業で、県民の全労働人口の6割以上となります。そこで働く人たちの健康づくりに、しっかりとリーチできれば、県民全体の健康寿命は、確実に伸びていくと考えています。その結果として、日本のみならず世界でもトップクラスに「健康な地域」になっていくはずです。
それが実現できたとき、私自身のご先祖や両親に、誇りに思ってもらえる生き方ができるのではないか。ひいては、アイセックに関わる従業員も誇りに思える会社となっていくのではないか。そんな想いもあります。
新潟では人口減少が課題と言われていますが、若い人たちは、一度は県外に出てもいいと思っています。そのうえで、健康に生活できる地元を選択し、「最後はやっぱり新潟がいいよね」そう思って戻ってこられる地域をつくりたい。
そうした取り組みが、新潟の一つのロールモデルになれば、ほかの都道府県にも広げていけるはずです。実際に今も、沖縄県や奈良県などで、健康経営推進の支援にも関わっています。
この「エビデンスに基づく健康支援の「新潟モデル」」を磨き上げ、全国へと届けられる仕組みへと育てていきたいと考えています。
会社情報
| 会社名略称. | 株式会社アイセック (iSEQ.inc) |
|---|---|
| 勤務先名 | 株式会社アイセック (iSEQ.inc) |
| 本社住所 | 新潟県新潟市中央区学校町通2番町5274-1 新潟大学ライフイノベーションハブ |
| 代表者名 | 代表取締役 木村 大地様 |
| 1年後〜3年後の目標 | 最近では県外からの相談や依頼も増えてきています。 たとえば、東京で約5万人規模の従業員を抱える保険会社や、栃木県の上場企業、群馬県の地方銀行など、業種や規模を問わず、さまざまな企業と関わる機会が広がっています。 我々が支援した企業は、軒並み健康経営の外部評価が高まります。 ある企業は、2026年度の健康経営優良法人において、全体で4,000社を越える企業の中で全国評価を得て、日本一となりました。 背景にあるのは、健診データを起点に、労働生産性やワークエンゲイジメントなどの経営的な指標と健康の指標をもとに、予防医療を「一気通貫」で支援できるアイセック独自の仕組みです。 新潟大学医学部と連携し、エビデンスに基づいて健康課題を可視化し、データを活用しながら実際の行動変容につなげていく。こうした仕組みは、まだ全国的にも多くありません。 今後は、このモデルをさらに磨き上げ、全国の代理店やパートナーと連携しながら、より多くの地域・企業へと普及させていきたいと考えています。 また、働く世代だけでなく、60代・70代以降の方々の健康にも、きちんと向き合っていきたいと考えています。 健康寿命を大きく左右する要因の一つに「孤立」があることは、ハーバード大学の研究などでも指摘されています。筋力の低下、メンタルの衰え、噛む力の低下など、いわゆる「フレイル」と呼ばれる状態をどう防いでいくか。 大学医学部には、そのための知見や手法が数多くあります。 それらを社会実装し、自治体への支援や、企業で働く人が退職前から学べる仕組みとして届けていく。 最期まで健康に生ききれる人を、一人でも増やす。 そのための挑戦を、これからも続けていきます。 |
| こんな人に会いたい | 一緒に働きたいのは、まず何よりも「健康」に関心がある人です。 この記事を読んで、「それ、大事ですよね」「いい取り組みだな」 そう素直に感じてくれる方と出会えたら嬉しいですね。 健康づくりは、暗い雰囲気では前に進みません。 だからこそ、明るく、人を前向きにできる人はとても大切だと思っています。 実際、今のメンバーも、優しくて、自然と周囲を明るくする人が多いですね。 もう一つ大切にしているのは、自分で考え、最後までストーリーを描けることです。 ベンチャー企業には、決まった正解や型がありません。 「言われたことをやる」のではなく、「目の前の人の健康のために、何ができるか」を自分で考え、行動できる人。一言で言えば、思いやりを持って、人の人生を想像し思い遣れる人だと思っています。 不健康な最期の10年を想像し、「この人のために、今何ができるだろう」と考えられること。 それができる人は、自然と行動に移せるはずです。 専門知識は、最初はまったく必要ありません。実際、予防医療の知識がなかったメンバーも多くいます。 大切なのは、想いと姿勢。それさえあれば、どんな方でも歓迎したいと思っています。 |
| 事業内容 | 健康医療データ分析EBPM支援/オンライン健康教育事業/健康経営推進支援事業/健康経営支援システム「Aivy」提供 |
| メッセージ | 私が好きな言葉があります。 「暗いと不平を言うよりも、進んで明かりをつけましょう」 不満を言うより、自分が動く。 誰かのせいにするより、まず一歩踏み出す。 健康も、仕事も、人生も、その積み重ねでできていると思っています。 この考え方に共感できる方と、一緒に未来をつくっていけたら嬉しいですね。 こちらもご覧ください! 【HP】https://iseq.co.jp/ |
取材者情報
今回の社長へのインタビュアーのご紹介です。
「話を聞きたい!」からお問い合わせを頂いた場合は運営会社の株式会社採用戦略研究所を通して、各インタビュアー者よりご連絡させて頂きます。
| 取材者名 | ㈱採用戦略研究所 小林 |
|---|---|
| 住所 | 新潟県長岡市山田3丁目2-7 |
| 電話番号 | 070-1476-9740 |
| 事務所HP | https://rs-lab.jp/ |