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金属ものづくりの基盤を支える、社員とともに歩む熊倉シャーリング三代目の挑戦!【代表 熊倉正人氏】

熊倉シャーリング有限会社

「シャーリング」とは

私たちの原点

“シャーリング”とは、金属の平らな板を切断する加工技術のことです。鋼材メーカーから届く大きな鉄板やコイルを、製品づくりに必要な寸法へ正確に仕立てる。その一枚一枚がプレス・曲げ・溶接といった次の工程へ渡り、やがて身近な製品へと姿を変えていきます。

つまり、シャーリングは金属ものづくりのはじまりの工程。この入り口を正確に、速く、効率よく行うことが、その後の加工全体の品質と生産性を大きく左右します。地場産業として知られる燕三条の金属加工も、こうした基盤の仕事に支えられてきたのです。

熊倉シャーリング有限会社の創立は1970年。父は修行で身につけた技術で祖父とともに会社を立ち上げました。以来、地域のものづくりを支え続けてきました。

私はその三代目として会社を受け継いでいます。もともとは家業を継ぐつもりはなく、大学では情報系を専攻し、就職先も外資系企業のシステムエンジニア。24時間止められないサーバー運用の現場で働き、過酷な勤務を経験しました。父から「いつ戻ってくるんだ」と声をかけられながらも、まずは自分の力を試したいと考え、数年間勤めたあと海外へワーキングホリデーに出ました。

帰国したのはリーマンショック直後。厳しい状況のなか、会社を守るために新たな挑戦が必要だと感じ、レーザー加工の導入を決断しました。技術者もいなかったため、自ら夜通し機械を動かし、昼間は経営管理にあたるという役割を担いました。先代が職人肌で現場を大切にしてきたからこそ、私は経営基盤を整え、新しい技術で会社を未来へつなげる役割を果たそうと考えたのです。

受け継いだものがあったからこそ、新しい挑戦ができた__そう実感しています。

「切る」から「部品をつくる」へ

進化する現場

創業当時、熊倉シャーリングはその名の通り「鉄板を必要な大きさに切り出す」仕事が中心でした。ところが時代が進むにつれて、お客様からは「穴をあけてほしい」「角を落としてほしい」「曲げてほしい」といった要望が増えてきます。そこで、単なる素材の切断にとどまらず、部品として納められるように加工部門を立ち上げました。

現在では、売上の大半を占めるのがこの部品加工です。プレスや曲げ、溶接、さらには設計や組立まで一貫して対応できる体制を整え、農業機械や建築金具、アミューズメント機器、さらには医療機器やATMの部品まで、多様な分野で私たちの技術が活かされています。

強みは、シャーリングから部品加工までを一貫して担えること。多くの工場がどちらか一方に特化するなか、私たちはものづくりの出発点から製品に近い形まで幅広く対応できます。さらに、協力会社とのネットワークを活かし、金属だけでなく樹脂やアクリルを組み合わせた製品も手がけています。

時には有名チェーン店の店舗什器やデパートの構造部材、日本橋のモニュメントといった、大型かつユニークな案件にも関わってきました。小さな部品から街に残る大きな建築物まで、柔軟に対応できること、それが私たちの強みです。

技術を受け継ぎ

未来を育てる

熊倉シャーリングには現在42名の社員が在籍し、そのうち約3割が女性です。ものづくりの現場に女性が活躍するには環境整備が欠かせません。そこでトイレやロッカーの整備から始め、育休の取得や、子ども一人につき年5日(最大2人で10日まで)取得できる「子の看護休暇制度」も導入しました。授業参観や病気の看護などで男女問わず利用できる制度です。社員が家庭と仕事を両立できる仕組みをつくることで、長く安心して働ける職場を目指しています。

一方で、ものづくりの技術は“背中を見て学ぶ”だけでは継承できません。そこで私たちは作業の言語化に力を入れ、50以上の手順書を整備しました。現場のタブレット端末からすぐに確認でき、随時更新できる仕組みを整えています。これにより経験の浅い社員も安心して作業でき、品質の均一化にもつながっています。

さらに、部署ごとに毎週会議を設け、品質や工程、改善提案を共有する体制を築きました。私自身も可能な限り出席し、顔を合わせて意見を交わすことを大切にしています。問題を一人で抱え込むのではなく、全員で解決する__そんな文化を根づかせています。

能力や経験の差があっても、環境を整えれば必ず活躍できる。社員一人ひとりが安心して力を発揮できる環境をつくること。それが、熊倉シャーリングが大切にしている姿勢です。

地域とともに歩む

燕三条で培う、ものづくりの誇り

熊倉シャーリングが拠点を置く燕三条は、古くから“金属加工のまち”として知られています。私たちもまた、この地域に根ざし、半世紀以上にわたり産業を支えてきました。

地域とのつながりを象徴する取り組みのひとつが「工場の祭典」への参加です。普段は入ることのできない工場を一般公開し、ものづくりの現場を体感してもらうこのイベント。私たちも数年前から参加し、社員が自ら来場者に仕事内容を説明する機会を設けています。自分たちの技術を誇りをもって伝える姿は、教育の場としても大きな意味があります。製品を手に取った人の「ありがとう」の声を直接聞ける体験は、社員にとっても大きな励みとなっています。

また、地域の企業との協力関係も欠かせません。創業時から培ってきた「切る技術」や「部品加工力」も、燕三条という産地全体の力があってこそ生きてきました。私たち一社だけでは応えられない要望も、仲間の企業と力を合わせることで形にできる。この総合力こそが、熊倉シャーリングの強みであり、地元に根を張る会社の存在意義だと考えています。

このまちに工場を構え、このまちの人と働き、このまちの産業を未来につなぐ__。地域との共生こそが、私たちのものづくりの根っこなのです。

フレキシブルファクトリーを目指して

社員とともに築く次の成長

私たちがこれから目指すのは、「フレキシブルファクトリー」です。お客様の多様な要望に柔軟に応えられる工場です。決まった製品をつくるだけでなく、「試作を一枚だけお願いしたい」「小ロットから大ロットまで対応してほしい」といった声にも応えられる体制を整えていきたいと考えています。

そのために必要なのは、社員一人ひとりの成長です。自分の担当業務だけにとどまらず、他の部署や工程を経験し、スキルの幅を広げていく。誰かが困ったときに自然と助け合える、そんな職場をつくることで、会社全体の柔軟性が高まっていきます。

数値目標としては、5年後に売上5億円を達成することを掲げています。ですが本当に大切なのは、数字そのものではありません。地域のものづくりに貢献し、社員が誇りを持って働ける環境を築くこと。その積み重ねが結果として会社の成長につながると信じています。

「誰ひとり取り残さない職場をつくる」__これはこれからも変わらない私の信念です。社員と共に挑戦し、共に成長しながら、熊倉シャーリングをよりしなやかで強い会社へと育てていきます。

会社情報

会社名略称. 熊倉シャーリング有限会社
勤務先名 熊倉シャーリング有限会社
本社住所 新潟県燕市杉名45
代表者名 代表取締役社長 熊倉 正人様
1年後〜3年後の目標 これからの3年間で一番大切にしたいのは、会社の基盤をしっかりと築くことです。社員教育を通じて人材を育て、財務体制を整え、長く続く会社の土台を固めていきます。そのうえで、お客様の要望に柔軟に応えられる「フレキシブルファクトリー」を目指し、ものづくりの価値を最大限に提供できる体制を整えていきたいと考えています。

5年後には売上5億円という目標を掲げていますが、その実現に向けた第一歩がこの3年間。社員一人ひとりが幅広い経験を積み、工場全体がフレキシブルに動けるよう成長していくことが、私たちの具体的な目標です。
こんな人に会いたい 熊倉シャーリングで働くのに、特別な経験や資格は必要ありません。ものづくりに少しでも興味がある方なら大歓迎です。

「自分にできるだろうか」と不安を抱えている人でも大丈夫。実際に、社員の半分以上は異業種から入社し、今では第一線で活躍しています。力仕事ばかりではなく、工夫や丁寧さが求められる場面も多いので、女性社員も自然に力を発揮しています。

大切なのは「挑戦してみたい」という気持ちだけ。少しずつ経験を重ねていけば必ず活躍できる環境があります。ものづくりに興味を持ってくれた方に、ぜひ仲間になってもらいたいと思っています。
事業内容 製造業/各種精密板金加工・タレットパンチング加工・レ-ザ-加工・ベンディング加工・スポット溶接・各種溶接・カシメ加工・リベット等各種組立
メッセージ こちらもご覧ください!
【HP】https://kuma-sha.co.jp/
【Instagram】@kumasha.inc

取材者情報

今回の社長へのインタビュアーのご紹介です。
「話を聞きたい!」からお問い合わせを頂いた場合は運営会社の株式会社採用戦略研究所を通して、各インタビュアー者よりご連絡させて頂きます。

取材者名 ㈱採用戦略研究所 小林
住所 新潟県長岡市山田3丁目2-7
電話番号 070-1476-9740
事務所HP https://rs-lab.jp/

話を聞きたい!